研究課題/領域番号 |
22K19685
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
玉井 奈緒 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80636788)
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研究分担者 |
松本 勝 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (40751904)
真田 弘美 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50143920)
高橋 聡明 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (50824653)
仲上 豪二朗 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70547827)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 骨盤底筋訓練 / 超音波検査(エコー) / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の尿失禁は尿漏れやにおいによる活動性低下およびQOLの低下を引き起こすため、その改善は解決すべき重要な課題である。これまでの尿取りパッド等の対症療法的なケアではなく、身体機能自体を改善する「骨盤底筋訓練」へ着目した。 骨盤底筋訓練は、その感覚を掴むことが難しく、高齢者の訓練の継続性が問題であった。高齢者自身が可視化可能で非侵襲的に実施可能なエコーを用いて骨盤底筋の収縮を視認し、AIによる読影支援とケア提案を受けることで、「適切」に「継続」して骨盤底筋訓練を実施できるシステム開発を目指す。
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研究実績の概要 |
研究目的:在宅での骨盤底筋訓練継続の難しさによる尿失禁改善効果低減を改善することを目標に、本研究では、高齢者が自宅で経腹超音波検査(エコー)を実施し、AI による読影支援と適切な看護ケアの提案を得ながら、在宅で持続的に正しい骨盤底筋訓練を実施できることを目的としている。2022年度は、セルフエコーのための手技の標準化と教育プログラムの開発および機械学習による骨盤底筋訓練のための骨盤底挙上自動判定方法の開発に取り組んだ。 方法:対象は20歳以上の尿失禁のある女性とし、機縁法およびチラシやWebによるリクルートを実施した。1)手技の標準化として、エコーをあてる位置とあてる力、プローブの角度を検討した。教育プログラムはオンラインで実施可能なeラーニング教材を作成し、eラーニングと技術評価で構成した。2)作成した教育プログラムを用いてエコー教育を行い、撮影時の技術獲得状況と画像の取得状況で教育効果を評価した。3)セルフエコーによる膀胱画像データを取得し、エキスパートによる分類、特徴量の抽出と生成をおこない、機械学習を行った。 成果と考察:1)看護師が実施する膀胱エコーを参考に、エコーをあてる位置は恥骨上縁とし、エコーをあてる力やプローブの角度は、適切な画像を撮影できるように参照画像を提示する形で習得できるように工夫した。一連の手技の流れを動画としたeラーニングプログラムを作成した。2)11名の対象者から協力が得らえた。エコー操作の技術は良好であったが、膀胱描出が困難であった方が2名いた。これら2名は自宅での事前練習回数が少なかったことが影響したと考えられた。3)56名の対象者の協力を得た。自動判定方法のモデルの精度は高く、正しい収縮と誤った収縮の分類が可能であることが明らかとなった。今後は、この自動判定結果に応じたケアリコメンデーション内容を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に予定していたセルフエコーのための手技の標準化、学習教材の作成、骨盤底筋収縮の自動判定方法の開発まで到達できた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は開発した骨盤底筋収縮の自動判定方法を基盤に、データを蓄積し、その結果に基づくケアアルゴリズムを作成していく予定ある。 またケアリコメンデーションを可能とするアプリケーションの開発も併せて進めていく。
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