研究課題/領域番号 |
22K19695
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 学校法人文京学院 文京学院大学 |
研究代表者 |
高橋 眞理 学校法人文京学院 文京学院大学, 看護学研究科, 特任教授 (20216758)
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研究分担者 |
大田 康江 北里大学, 看護学部, 教授 (80650134)
小山 秀紀 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 機械システム安全研究グループ, 特定有期雇用職員 (50339743)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | ベビーロボット / 乳児 / コミュニケーション / 体験的な感情 / Human-Robot Interaction |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、開発研究ロボット名を「あやしてももちゃん」とし、研究ステップを、ロボット要件定義と設計検討の【研究Ⅰ】、ロボットの製造・テストの実施と開発モデルの評価の【研究Ⅱ】、体験的な感情の評価検証の【研究Ⅲ】の3段階から構成する。 乳児と関わる養育者の情緒的応答の育成の準備に、ベビーロボットとのコミュニケーション学習を導入する、HumanーRobot Interaction(人とロボットとの相互作用)研究による初めての試みである。 なお、多職種連携による看護ロボットの開発モデル案の検討は、今後わが国において、看護ロボットの開発・導入にむけた具体的な示唆を提供できると考える。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、母子相互作用とコミュニケーションの関係性理論の視点から、養育者(母親や乳児とかかわる専門職など)が、最初のバブリング(Hoff2009)である生後3~6ケ月の乳児とよりよい関係性を築く時のコミュニケーションを体験的に感情で学ぶことができる、1)コミュニケーション型ベビーロボットの開発、2)多職種連携の看護ロボティクス開発チームを編成し、ウォーターフォールモデルの開発ステップを、コンピュータを活用した問題解決の思考法による導入で進め評価、3)ベビーロボットの「体験的な感情」への影響を主観・客観評価することであり、【研究Ⅰ】【研究Ⅱ】【研究Ⅲ】の3段階で構成する。 なお、本年度は、【研究Ⅰ】ロボット要件定義と設計検討であり、要件定義と設計準備にむけて次の点を検討した。 ①HRI(Human Robot Interaction)によるロボットとのコミュニケーションに関する文献検討から、パーソナライズされたインタラクションへの課題が考えられた。②育児用赤ちゃんロボットの先行文献・実際の赤ちゃんロボットの検討では、ベビーテックのひとつである赤ちゃんの泣き判別アプリ・プログラム、リアルケアベビー設計構造、メンタルヘルス支援ロボットコンパニオンMARCoなどの検討を進めた。③乳児の泣き、喃語の検討では、愛着理論に基づき不安定な愛着形成を避けるため、養育者が乳児ロボットの行動に「なだめ、慰め、喜び」などで応答できるよう、ロボット側の行動設計ができないかと考えた。④実際の乳児と養育者とのコミュニケーション場面の動画分析では、インターネット上に公開の養育者と乳児とのやりとり場面、および両親3組の乳児とのやりとりの動画場面を収集し、その状況を検討した。単に言語のやり取りだけでなく、乳児側の身体動作が養育者の感情をインボルブ(感情移入)していく点を今後どう扱うかが課題としてあげられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨今のAIの急速の進歩により、ユーザーに適応するモデルのシステムの大枠を考案するにあたり、新たな知識・スキルの検討が必要である。また、ロボットセンサーの数を抑えて、どのようなインタラクションができるかの検討が必要であり、【研究Ⅰ】の進捗に大幅な時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
ロボット要件定義と設計検討の【研究Ⅰ】、ロボット製造・テストの実施と開発モデルの評価【研究Ⅱ】、体験的な感情の評価検証の【研究Ⅲ】の流れで進めていく。 コロナ禍も落ち着いてきたことから、来年度は他職種連携による看護ロボティクスチーム を編成し、対面とオンラインとのハイブリットによって開発の検討を進めていく。
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