研究課題/領域番号 |
22K19697
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
伊藤 ゆり 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (60585305)
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研究分担者 |
中谷 友樹 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20298722)
埴淵 知哉 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (40460589)
福井 敬祐 関西大学, 社会安全学部, 准教授 (50760922)
本庄 かおり 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (60448032)
佐藤 倫治 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (80865220)
西岡 大輔 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (90901041)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 健康格差 / まちづくり / 市民参加 |
研究開始時の研究の概要 |
個人の努力による生活習慣改善には限界があり、社会環境を改善することが健康増進につながることが明らかになっている(健康の社会的決定要因)。本研究は市民参加により「住むだけで健康になるスマートシティ」を達成するために、各種データベースの分析・見える化と関係者と協働し、実装を目指す。具体的には①全国の階層的な各種公的データを活用し、空間疫学的アプローチや機械学習の手法により、介入効果を最大化する環境整備やサブグループを明らかにし、②自治体と協働し、その地域の詳細データの分析結果を市民とともに共有し、実証事業へ展開するための評価指標を含めたエビデンスを構築し、わかりやすく提示することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、個人の努力による生活習慣改善には限界があり、社会環境を改善することが健康増進につながるとする健康の社会的決定要因の考えを踏まえて、各種環境要因と健康関連の指標に関して分析を行い、健康になれる環境を検討している。またその結果について、市民や関係者と共有することにより「住むだけで健康になるスマートシティ」を達成することを目的としている。そのために、各種データベースの詳細な分析を行い、データの見える化を行った上で関係者と協働し、実装を目指す研究である。 具体的には①全国の階層的な各種公的データを活用し、空間疫学的アプローチや機械学習の手法により、介入効果を最 大化する環境整備やサブグループを明らかにし、②自治体と協働し、その地域の詳細データの分析結果を市民とともに共有し、実証事業へ展開するための評価指標を含めたエビデンスを構築し、わかりやすく提示することを目的とする。 令和4年度は全国のデータについて、地域指標とアウトカムの関連を分析し、それらの成果を見える化する取り組みを行った。都道府県別に地域指標を作成し、各種死因別死亡率や健康寿命などのアウトカム指標や喫煙率、検診受診率などのプロセス指標との関連を検討した。また、いくつかの自治体とはがん検診や介護事業データ、歯科検診データなどを利用できるように連絡・調整を行った。豊中市では事業データを使用した研究成果について地域住民や関係者との共有を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①各種環境指標と健康アウトカムを用いた介入の優先順位付けと効果的なサブグループの同定 令和4年度は比較的多くの公的統計資料がある都道府県を単位とした地域指標を同定し、健康寿命・平均寿命との関連を示し、学会発表を行い、論文投稿した。また、この指標と各種死因別死亡率、喫煙率、がん検診受診率などとの関連も検討できる視覚化ツールを作成した。また、小地域での分析を行う上で、公的統計を検索し、解析の準備を行った。全国の通いの場リストを入手し、解析に使用する準備を行った。 ② モデル地域(高槻市・美山町・東広島市)における実証事業の提案 A.住民の自主活動拠点や環境指標と小地域別健康指標との関連:高槻市において実施されている住民の自主的な運動グループの活動拠点数と小地域単位での要介護状況に関して、各種地域指標(地理的剥奪指標・Walkability index)との関連を考慮した上で検討した。約3年分のデータの提供を受け、分析を行っている。死亡データに関してもデータの分析の準備を行った。 B.エビデンスの見える化と多分野連携・住民参画:分担研究者の西岡は大阪府豊中市のとよなか都市創造研究所を中心に、公的機関、地域の支援団体、住民とのパートナーシップを構築する連携セミナーをシリーズ開催した。令和4年度は4回のセミナーを通じて、地域共生社会の推進に向けて住民を含めた市役所内外の他部署・他機関とのパートナーシップを構築するために具体的にできる手立てを考える講演会およびワークショップを行った。その全体の様子は豊中市の機関紙に掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
①各種環境指標と健康アウトカムを用いた介入の優先順位付けと効果的なサブグループの同定 令和5年度は人口動態統計を始めとした全国のデータを収集し、小地域単位でアウトカムの測定ができるようにする。また、環境要因として、小地域ごとの関連データの整理を行い、関連性の分析を行う。また、ワクチン接種や検診受診などの介入へに対する効果の異質性について検討し、介入の優先順位付けを行う。 ② モデル地域における実証事業の提案 A.住民の自主活動拠点や環境指標と小地域別健康指標との関連:高槻市における介護予防事業だけでなく、がん検診やワクチン接種、歯科検診など各種健康事業に関する情報の分析に着手する。いくつかの自治体とデータ分析に関しての調整をすすめ、分析を開始する。例えば、がん検診受診状況と受診医療機関の位置などの地域資源や各種地域指標との関連を検討し、介入効果に関連する要因を検討する。 B.エビデンスの見える化と多分野連携・住民参画:自治体事業の実施状況に関しての小地域単位のデータについて地理情報システムを用いて、地域診断に使用できる見える化を行い、担当者や地域住民と検討するための資料を作成する。高槻市の介護予防マイスターなど、地域の健康事業に積極的に参加する市民の協力を得て、地域に必要となる資源などについてDiscussionをする場を持つ。
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