研究課題/領域番号 |
22K19698
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
|
研究分担者 |
玉置 淳子 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (90326356)
梶田 悦子 中京学院大学, 看護学部, 教授 (50135373)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 三次元骨強度指標 / 二重X線吸収法 / 骨密度 / 骨粗鬆症検診 / 骨折リスク評価 / 骨折リスク / 大腿骨近位部骨折 / 三次元構造強度指標 / 骨粗鬆症 / 三次元構造指標 |
研究開始時の研究の概要 |
骨強度を規定するのは骨量、骨の材質、骨構造の3要素で、量は骨密度、材質は血中骨代謝指標や加齢架橋物質濃度で評価されるが、構造に簡便な評価法がなかった。最近、大腿骨近位部の二重X線吸収法による骨密度2次元画像を3次元に再構築し、構造強度指標を算出する方法が開発された。申請者らが遂行しているJPOSコホートの25年追跡データからこの手法の骨折リスク評価性能を確認する。これが確認できれば、骨強度の3要素を備えた骨折リスク評価法が確立でき、ようやく骨密度一辺倒だった骨折リスク評価から脱却し、骨強度に基づく骨折リスク評価を基盤にした骨粗鬆症検診と診療が実現できる。
|
研究実績の概要 |
大腿骨近位部の二重X線吸収法による骨密度2次元画像を3次元に再構築し、構造強度指標を算出する方法が開発された。JPOSコホート研究の25年間の追跡データからこの手法の骨折リスク評価性能を憲章することを目的とする。 【方法】JPOSコホート研究のBaseline調査と10年次、15年次、20年次追跡調査のいずれかに参加した40歳以上の約2000人を対象とした。アウトカムは大腿骨近位部骨折の発生で、問診で把握した。予測要因は大腿骨近位部三次元骨指標で、毎回の調査時に二重エネルギー吸収法で撮影した大腿骨近位部骨密度画像を3D-Shaper(3D-Shaper Medical社、スペイン)で計算した。骨折リスクは予測要因とアウトカムの繰り返し測定を解析可能なCox比例ハザードモデルで求めたハザード比(HR)とし、3次元構造指標が従来型の大腿骨頸部面積骨密度を基準として、それよりも優れた骨折予測性能を持つかどうかをROC解析で検証した。 【結果】分析できたのは1872人で、追跡期間中、76人に大腿骨近位部骨折が発生した。基準の大腿骨頸部面積骨密度1SD低下当たりのHRは3.13 (95%信頼区間2.46, 3.97)、総体積骨密度、海綿骨体積骨密度、皮質骨体積骨密度は近位部全体で3.97(3.05, 5.15)、3.98(3.08, 5.18)、2.66(2.12, 3.34)、頚部で3.76(2.86, 4.95)、3.70(2.86, 4.78)、2.80(2.2, 3.57)であった。ROC曲線下面積は大腿骨近位部骨密度の0.680に対し、近位部総体積骨密度で0.717、近位部海綿骨体積骨密度で0.715、頚部海綿骨体積骨密度で0.702で、いずれも有意に大きかった。 【結論】大腿骨近位部骨密度画像から求めた三次元骨指標の大腿骨近位部骨折予測性能は面積骨密度よりも優れていた。
|