研究課題/領域番号 |
22K19704
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳原 大 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90252725)
|
研究分担者 |
柿澤 昌 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40291059)
葛西 秀俊 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (40403232)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 自閉症スペクトラム障害 / mTOR / FMR1 / 歩行 / 適応 / 小脳 / 運動スキル / 歩行適応制御 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症においては、認知・感覚機能ならびに社会性行動の障害などが主症状であるが、運動スキルや運動学習の障害も報告され、小脳が自閉症に関与していることが明らかにされている。本研究では、自閉症モデルマウスを対象に、運動学習機能の解析と小脳神経回路の電気生理学及び免疫組織化学による本質的なメカニズムの解明を行う。また、モデルマウスに対して軽度な運動を課すことで、運動の学習機能のみならず、社会性行動の障害に対する相乗的な改善効果について詳細に調べる。
|
研究実績の概要 |
自閉症スペクトラム障害においては、認知・感覚機能の障害ならびに社会的コミュニケーションの障害などが主な症状として認められており、その一方で、運動機能の障害として、スポーツや書字が苦手であるといった運動スキルやその学習・記憶機能における障害については臨床的な所見として報告されてはいるものの、それらの原因となるメカニズムの本質については未だほとんど明らかにされていない。近年、運動の制御及び適応・学習に重要な役割を果たしている小脳が自閉症スペクトラム障害へ関与していることがfMRIによる脳機能イメージングや自閉症患者の死後脳における免疫組織化学的解析及び遺伝子発現パターンの解析から明らかにされている。 本研究では、自閉症スペクトラム障害のモデルマウスを対象として、運動スキル及びそのスキルの学習機能の障害の本態について、独自に開発した左右分離型ベルトトレッドミル(split-belt treadmill)上での歩行における運動学習機能の解析と、電気生理学及び免疫組織化学による小脳神経回路網の詳細な解析を行うことで、本質的なメカニズムの解明を行う。また、モデルマウスに対して軽度な運動を課すことで、運動の学習機能のみならず、社会性行動の障害に対する相乗的な改善効果について詳細に調べることを主たる目的としている。 2022年度においては、小脳プルキンエ細胞特異的mTOR(mammalian/mechanistic target of rapamycin)活性化マウスを対象にして、左右分離型ベルトトレッドミル(split-belt treadmill)上での歩行における運動学習機能の解析を行い、歩行における適応学習の障害が観測されている。また、FMR1(fragile X mental retardation 1)変異マウスについても、同様な試験を行い、現在解析を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
左右分離型ベルトトレッドミルなど実験機器の不調や故障が数回発生し、そのため予定されていた実験とデータ解析にやや遅れが生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
左右分離型ベルトトレッドミルなどの実験機器およびデータ解析システムにおける改良を施し、予定通り研究を進める。
|