研究課題/領域番号 |
22K19709
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
木場 智史 鳥取大学, 農学部, 教授 (40565743)
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研究分担者 |
吉村 祐貴 鳥取大学, 医学部, 助教 (50771242)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | FosTRAP / 視床下部背側野 / 交感神経抑制 / 運動意欲 / 遺伝子導入 / 意欲 / 運動 / 交感神経 / 遺伝子ノックインラット / 光遺伝学 / ラット |
研究開始時の研究の概要 |
精神病態下で認められる自律神経機能不全は意欲低下の原因かつ結果である.しかし意欲と自律神経機能との連関メカニズムは不明である.本研究では,「独自確立したラットFosTRAP法」「特定神経を標識可視化・活動操作・除去する,遺伝子工学の先端技術」「in vivo生体信号記録による自律神経機能評価」を融合させた研究戦略から,「神経Xが意欲と自律神経系との因果性を担う脳実体である」「意欲にあふれた動物個体では恒常的に,神経Xが交感神経活動を適正に抑制制御している」との仮説を検証する.本研究の挑戦は,意欲低下と関連した精神病態の新しい理解につながり,また未来医療の開発基盤となる可能性を秘める.
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研究成果の概要 |
本研究では,研究グループが新しく作出した遺伝子改変ラットを用いて確立したラットFosTRAP法(短時間中に興奮した神経細胞選択的に,遺伝子工学的介入を可能とする手段)を用い,運動意欲の亢進に伴って興奮する視床下部神経による交感神経活性能を調査した.運動意欲興奮DH神経に青光感受陽イオンチャネルChR2を発現させて光遺伝学刺激したところ交感神経抑制が生じた一方,延髄吻側腹外側野投射性の運動意欲興奮DH神経を光遺伝学刺激は交感神経活性を生じさせた.運動意欲興奮DH神経には交感神経抑制と交感神経活性の両方の機能を持つ細胞が混在していることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抑うつ状態などの精神病態下で認められる自律神経機能不全は意欲低下の原因かつ結果である.しかし意欲と自律神経機能との連関メカニズムは研究自体がなかった.本研究では私たちが独自作出したラットFosTRAP法や光遺伝学などの遺伝子工学的技術を活用して,運動意欲の亢進に伴って興奮する視床下部神経による交感神経制御能を調査し,それらの役割を初めて明らかにした.本研究の知見は意欲と自律神経機能との因果性を担う脳実体に迫ったものであり,現代社会の病とも言える意欲の低下と関連した精神病態の新しい理解にもつながり,また未来医療の方策開発の基盤となる可能性も秘める.
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