研究課題/領域番号 |
22K19718
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
青井 渉 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (60405272)
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研究分担者 |
佐久間 邦弘 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (60291176)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 骨格筋 / 硫黄代謝 / 抗酸化システム / 運動 / 不活動 / 硫黄化合物 / 身体活動 / 栄養 |
研究開始時の研究の概要 |
生体内には、硫黄原子が過剰に付加された超硫黄化合物が存在することが明らかとなり、それらが様々な生理機能の恒常性維持、疾病発症に関与することがわかってきた。しかし、現在のところ、骨格筋における硫黄代謝については不明である。本研究は、実験動物モデルや培養細胞系を用いて、運動・不活動、加齢、栄養状態による骨格筋硫黄化合物の代謝動態および機能性について明らかにすることを目的とする。運動への適応や疾病の発症、加齢における超硫黄化合物の動態について検証し、体力、健康、老化に関連する課題解決のための基礎的知見を得ることを試みる。
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研究実績の概要 |
昨年度からの継続で,運動,不活動が骨格筋の硫黄代謝におよぼす影響について,マウスを用いて検討した。4週間の走運動試験では,骨格筋における過硫化タンパク質量の変化がみられ,中でもミトコンドリアの好気的代謝に関わるタンパク質の過硫化が高まることを観察した。不活動試験では,マウスの後肢をギプス固定することにより,不活動状態を誘発した。また,超硫黄分子ドナー (Na2S4) を毎日腹腔内投与することにより,超硫黄分子が筋委縮におよぼす影響についても検討した。3日間不活動によって,ユビキチン化タンパク質量は,対照群に比べて不活動群で高値であったが,Na2S4投与群ではその増加は見られなかった。また,炎症性サイトカインChemokine C-C motif ligand 2発現量は,不活動によって増加したが,Na2S4の投与により抑制された。2週間不活動によって,腓腹筋重量は対照群に比べて不活動群で低値であったが,Na2S4の投与により萎縮の抑制がみられた。このときCysteinyl tRNA synthetase 2発現量は,対照群に比べNa2S4投与群で高値であった。これらより,超硫黄分子が不活動による骨格筋の炎症およびユビキチン化タンパク質の増加を抑制し,萎縮を抑えることが示唆された。培養細胞試験では,過酸化水素刺激による高酸化ストレス下において,Na2S4の影響を検討した。細胞毒性や過硫化タンパク質に及ぼすNa2S4の濃度や反応時間についての情報得たが,その効果については今後の検討課題とされた。
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