研究課題/領域番号 |
22K19728
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
秋間 広 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (40292841)
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研究分担者 |
片山 敬章 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (40343214)
狩野 豊 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90293133)
田中 憲子 (石黒憲子) 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (70439280)
小池 晃彦 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (90262906)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 骨格筋 / 筋内血流 / 膝伸展運動 / 若齢者 / 高齢者 / 超音波パワードプラ |
研究開始時の研究の概要 |
加齢による骨格筋の量,質,機能の低下に関する知見は注目されてきたが,これらの低下が骨格筋の血流(筋内血流)にまで影響を及ぼす可能性があることはあまり知られていない.本研究では超音波パワードプラ法による筋内血流を時空間的に評価し高齢者と若齢者で比較する.高齢者と若齢者それぞれ60名が膝伸展による等尺性随意最大筋力の50%の負荷で5秒間の筋収縮を5秒間の休息を挟みながら実施する.外側広筋・中間広筋のパワードプラを連続的に動画記録し,筋内血流が増加した部分を描出し,その面積を『筋内血流』として評価する.この測定から高齢者,運動不足の若齢者,あるいはアスリート等の幅広い人々への応用が期待される.
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研究実績の概要 |
これまで血流の測定はPositron Emission Tomography (PET)等の非侵襲的な方法,あるいは超音波ドプラー法のような大きな血管を流れる血流を測定する手法が主に行われてきた.しかしながら,これらの研究手法の問題点としては,被曝が伴う場合がある,あるいは大きな血管を流れる血流量動態しか明らかになっていない.すなわち,筋内のどの血管にどのくらい血流が流れているのかが不明である.先に挙げたPETを用いれば血流の測定は可能であるが,被曝による侵襲が免れないのが大きな問題点であった.そこで我々は非侵襲的な超音波パワードプラ法を用いて,運動時の骨格筋内の血流動体について検討した. 等尺性最大随意膝伸展筋力の50%強度で5秒収縮ー5秒弛緩の等尺性最大随意膝伸展運動を開始し,疲労困憊まで運動を継続した.運動中には外側広筋より超音波パワードドプラ法による筋内血流を,また近赤外分光法を用いて外側広筋における筋内の脱酸素化のデータを取得した.その結果,運動を開始して100秒までは直線的に筋内血流が増加し,その後,定常に達した.また,近赤外分光法による脱酸素化については筋内血流とミラーイメージの変化動態であった.その他には,超音波パワードドプラ法により得られた筋内血流には,血流の流れの速い部分と遅い部分があることをカラースケールの色を基準にして定量的に確かめることができる.それらの色の違いを元にして血流の流れの速い部分,中程度の部分,遅い部分の色をそれぞれ分離し,分析した.その結果,血管を横断面で見た際,血流の流れの速い部分の面積が最も少なく,次に中程度の流れの速度の部分,そして最も流れの遅い部分の面積が最も大きかった.つまり,血管内では最も流れの遅い部分が多くを占めていることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は筋内血流を測定する機器を業者に依頼していたが,それが完成し,徐々に実験を進めているところである.データも揃いつつあり,数日前に最初に行った実験結果を英文雑誌に投稿中である.
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今後の研究の推進方策 |
いくつかの実験を行ったため,その分析についても継続中である.これらのデータを元に論文を出来るだけ早く完成させ,投稿していく予定である.また,今後は別の観点からの実験についても構想があり,その実験についても進めていくよていである.
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