研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は、過剰な攻撃性を抑えるメカニズムとして、運動の効果に着目した解析を行う。ランニングホイールによる自発的運動を行うことで、雄マウスの攻撃行動にどのように変化が生ずるかを詳細に解析するとともに、自発的運動がどのような生物学的・神経学的変化を生じさせることで攻撃行動の低下を及ぼすかについてを明らかにする。また、攻撃性と運動量に差がある系統を用いて、攻撃性と運動の関係にかかわる遺伝的基盤の探索も行う。
いじめや誹謗中傷、あおり運転、また認知症における攻撃行動など、攻撃性による問題は身近で、多くの人々の精神的、身体的な安全が脅かされている。本研究は、攻撃性を抑えるメカニズムを明らかにするために、運動の効果に着目した解析を行った。飼育ケージにランニングホイールを設置して自由に運動できる環境で飼育したマウスは、ランニングホイールが設置されていないケージで飼育されたマウスよりも攻撃行動が減少することが明らかとなった。この攻撃行動低減作用は、1週間程度の比較的短い運動習慣でも観察された。運動による攻撃行動低下にかかわるメカニズムを明らかにするため、運動群における神経活動変化の解析を引き続き進めている。
自発的運動は身体的健康の維持に重要なだけでなく、精神的にもストレス症状の低減など様々な側面に良い効果を持つことが示されている。本研究では、雄マウスにおいて、自発的運動習慣が攻撃性に対しても有効な抑制効果を持つことを明らかにした。そして、運動の攻撃性低減作用にかかわる神経メカニズムを解析することで、攻撃性へのより有効な介入方法の探索を試みており、その一端が明らかにされつつある。
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