研究課題/領域番号 |
22K19745
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 英幸 筑波大学, 体育系, 教授 (00292540)
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研究分担者 |
下山 寛之 筑波大学, 体育系, 助教 (80760652)
近藤 衣美 筑波大学, 体育系, 特別研究員(PD) (50515707)
大岩 奈青 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 研究員 (50443247)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 骨格筋 / アキレス腱 / MyotonPRO / 超音波エラストグラフィ / スティフネス / 剪断波伝播速度 / タレント発掘 / 競技種目適性 / せん断波伝播速度 / 腱 / 弾性 / 競技者 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋や腱の弾性特性は競技種目や競技レベルにより異なること、運動パフォーマンスと関係することが報告されている。近年、新しい測定原理で筋・腱の5種類の弾性指標を計測できる組織硬度計・MyotonProが開発された。本研究では、当該装置の応用面やデータ解釈上の課題を解決して、方法論としての信頼性、有用性を確立するとともに、測定データ解釈で必要となる基礎的知見や各スポーツ競技種目における競技者のデータを収集し、筋・腱弾性という新たな視点からのタレント発掘・競技種目適性診断の基準の策定に挑む。
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研究実績の概要 |
本研究は、新しい測定原理で比較的簡単に筋・腱の弾性指標を計測できる組織硬度計・MyotonPROの信頼性・有用性を検証し、タレント発掘・競技種目適性診断への応用可能性を検討することを目的としている。本年度は、一過性の運動としてのバドミントンの試合が下腿筋・アキレス腱に及ぼす影響を調べるための実験、および、前年度に引き続き、筋・腱弾性の競技種目特異性を明らかにするためのデータ収集を行った。 前者の実験では、大学生バドミントン女子選手を対象として、公式ルールに基づいた試合を1試合実施した。その前後で、両脚の腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、アキレス腱を対象として、MyotonPROを用いたスティフネスの測定、超音波画像診断装置を用いた筋厚、アキレス腱厚の測定、および、足関節の最大背屈角度の測定を行った。その結果、試合後にアキレス腱のスティフネスが有意に増加した一方、筋のスティフネス、筋・腱の厚さ、最大背屈角度には変化が認められなかった。また、これらの変化には競技レベルの違いが認められた。以上の結果から、MyotonPROで測定されるスティフネスに対して、一過性の運動は骨格筋と腱で異なる影響を及ぼす可能性が示された。このことは、MyotonPROで測定される値を正しく解釈するための重要な基礎的知見になると考えられる。 後者は、昨年度から継続しているデータ収集であり、体育を専門とする学部に所属する男性186名、女性64名の右脚の外側広筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭およびアキレス腱を対象として、MyotonPROを用いたスティフネス測定を実施し、2年間で、計494名分のデータを蓄積することができた。その結果、競技種目間、そして、男女間で筋スティフネスに差がある可能性が示されてきており、これらの知見をより明確なものとするために、次年度も測定を継続する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MyotonPROによる測定データ解釈で必要となる、運動が筋・腱弾性に及ぼす影響に関する基礎的知見、および、筋・腱弾性の競技種目特異性を明らかにするためのデータを順調に蓄積できている。
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今後の研究の推進方策 |
皮下脂肪厚、体脂肪率、BMIと筋・腱弾性との間の関係、異なる弾性指標間の関係を検討するためのさらなる測定を実施するとともに、筋・腱弾性の競技種目特異性を明らかにするためのデータ収集を継続して実施する。さらに、得られたデータの総合的な解析を進め、研究成果の論文化を推進する。
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