研究課題/領域番号 |
22K19747
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
坂根 郁夫 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (10183815)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
|
キーワード | ミリスチン酸 / ジアシルグリセロールキナーゼ / 骨格筋 / 脳 / 認知症 / 生活習慣病 / 肥満 / 2型糖尿病 / 筋力低下 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の健康寿命やQOLを減じる上記4つの疾病・変化に対する画期的総合的リスク低減法開発に挑戦する.その目標達成のために動物実験を行い,また,MA摂取によりマウス体内で起こっている現象を詳細に明らかにし,更に,MAの未知の善玉効果の発見も目指す.次に,MAの特別性を担保する脂肪酸(MA)特異的,細胞(筋管細胞・セロトニン神経細胞)特異的,蛋白質(DGKδ)特異的効果発現の分子機構を明らかにする.
|
研究実績の概要 |
最近,大変興味あることに,ミリスチン酸(MA)によってジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)のδアイソザイムの量が増加し,そのことによって2型糖尿病,肥満/生活習慣病,骨格筋減少,鬱/認知症を防ぐことができる可能性が出てきた.MA はこれまで殆ど注目されず,他の飽和脂肪酸と一緒くたにされ体に良くない悪玉脂質というのが定説であったが,実はMAは特別であり上記の様に善玉効果を持つことを我々は示した.そこで,今年度は,MA摂取を強力な科学的根拠に基づく,上記 4つの疾病・変化に対する画期的総合的リスク低減法とするための基礎的データを得ることを試み,以下の結果が得られ,また,準備が進んだ. 1.ミリスチン酸がDGKδを介して筋管細胞のβ-チューブリン量を増加させることを明らかにした(論文発表済).2.Praja-1の異なる領域が選択的にドコサヘキサエン酸含有PAとDGKδに結合することを明らかにした(論文発表済).更に,DGKδがsynaptojanin-1と相互作用することが明らかになった.DGKδのインタラクトーム解析を行い,MAによって相互作用の強度が変動する幾つかの興味あるタンパク質が得られた.マウスへのMAを投与を開始し,2023年6月頃に投与が完了し,その後様々な解析を行う予定である. その他にも,DGKαのEFハンドを含むN末領域のカルシウムによる構造変化を明らかにした(論文発表済).DGKηが神経細胞の増殖を制御し,グルココルチコイドによってDGKηの発現量が上昇することを明らかにした(論文発表済).ジパルミトイル-及びジステアロイル-PAがLys946と Lys951を介してPI4,5-二リン酸特異的ホスホリパーゼCに結合することを示した(論文発表済).飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸を含有するPAが選択的に熱ショックタンパク質27に結合することを明らかにした(論文発表済).DGKζがセラミドキナーゼ活性も持つことを明らかにした(論文発表済).
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように,研究目的・計画に即して研究を行い,全ての項目において進捗が見られた.また,研究項目に関して,既に多数は論文を発表済みであり,また,幾つかは論文投稿中あるいは論文投稿準備中である.
|
今後の研究の推進方策 |
今後も,研究目的・計画に即して研究を行う.また,進捗のあった項目については更に前に進める.
|