研究課題/領域番号 |
22K19753
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
桑原 知巳 香川大学, 医学部, 教授 (60263810)
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研究分担者 |
今大路 治之 (中山治之) 香川大学, 医学部, 講師 (80294669)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | Autoimmune disease / Probiotics / Clostridium butyricum / butyric acid / antigen display / プロバイオティクス / ブチリカム菌 / 自己免疫疾患 / 制御性T細胞 / 腸内細菌 / 実験的自己免疫性脳脊髄炎 / 酪酸菌 / 表層提示 / 自己抗原 |
研究開始時の研究の概要 |
酪酸を産生するClostridium butyricum(ブチリカム菌)の菌体成分には制御性T細胞の分化誘導作用がある。ブチリカム菌は整腸剤として使用されており、制御性T細胞の誘導活性も有することから自己免疫疾患治療用のプロバイオティクス(機能性腸内細菌)として利用できる可能性がある。T細胞の免疫応答は病原体排除に重要な役割を担っており、非特異的な制御性T細胞の誘導はステロイドや免疫抑制剤と同じく感染症のリスクを高める。そこで、本研究ではブチリカム菌に自己免疫性疾患に関連する自己抗原を発現させ、抗原特異的な制御性T細胞を誘導することにより、自己抗原に対する免疫応答をのみを抑制する手法を確立する。
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研究成果の概要 |
自己抗原に対する免疫応答は免疫寛容と呼ばれるメカニズムにより抑制されている。この免疫寛容に重要な役割を果たすのが制御性T細胞である。本研究では、制御性T細胞を誘導する酪酸を産生するClostridium butyricum(ブチリカム菌)に自己免疫性疾患の原因となる自己抗原を発現させ、腸管粘膜局所で自己抗原に対する免疫寛容を誘導する機能性プロバイオティクスの開発を試みた。Clostridium perfringens由来のIV型線毛に自己抗原を融合し、細胞壁に提示するブチリカム菌の作製に成功した。また、本菌の酢酸産生を誘導する植物発酵抽出物を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自己免疫疾患患者は日本国内だけでも数百万人と見積もられており、現在も増加している。自己免疫疾患の発症と関連する遺伝子変異や環境因子は複雑で疾患毎に異なっており、その多くは効果的な根治療法がなく、炎症と免疫を強力に抑えるステロイドや免疫抑制剤による対症療法が中心である。近年、関節リウマチなどに対して、病態形成に強く関連する物質(炎症性サイトカイン)を制御する抗体薬品が開発され効果を上げているが、これらも自己免疫疾患を根治するものでなく、また、100%の効果を上げることは出来ていない。本研究成果は、新たな自己免疫疾患の治療法や予防法の開発に重要な知見を提供するものである。
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