研究課題/領域番号 |
22K19754
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
絹川 真太郎 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60399871)
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研究分担者 |
松島 将士 九州大学, 医学研究院, 助教 (80552869)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | サルコペニア / 翻訳後修飾 / O結合グリコシル化 / 健康寿命 / 翻訳語修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、『加齢における骨格筋萎縮の進展にタンパク合成や分解に関わる種々のタンパクのO-GLcNAc化修飾が重要な役割を果たしている』という仮説を立て、O-GlcNAc化の制御による骨格筋萎縮の予防・治療法を開発することを目的とする。骨格筋が生体の代謝の中心であることに注目し、その代謝産物による翻訳後修飾であり、リン酸化と競合的に働くO-GlcNAc化修飾に着目した点が、本研究の新規性である。本研究では、これまで注目されていなかったO-GlcNAc化修飾に注目して、加齢における骨格筋萎縮にO-GlcNAc化修飾が重要な役割を果たしているのではないか、という学術的に根本的な疑問の解決に挑戦する。
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研究成果の概要 |
C57BL/6Jマウスは加齢とともに、骨格筋萎縮(骨格筋重量減少、骨格筋細胞径縮小)が観察され、タンパク合成系と分解系タンパクのバランスが破綻した。骨格筋タンパクのO-GlcNAc化は、全体としては増加する傾向があったが、分子量毎に増減に違いがあった。ヘキソサミン生合成経路律速酵素である骨格筋におけるGFAT1が増加し、O-GlcNacを除去するOGAが減少した。加齢マウスへGFAT抑制薬である6-Diazo-5-oxo-L-norleucin (DON)を3か月間投与したところ、vehicleを投与した群と比較して、骨格筋重量の低下および細胞径の縮小が軽減する傾向が観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サルコペニア患者に対する有効な予防・治療法はなく、筋力トレーニングを併用した運動療法を継続するしかないが、その効果は不十分であり、継続が困難な場合も多い。本研究では、これまで注目されていなかったO-GlcNAc化修飾に注目して、加齢における骨格筋萎縮にO-GlcNAc化修飾が重要な役割を果たしていることを明らかにした点で学術的意義が高い。骨格筋萎縮に対するO-GlcNAc化修飾制御という我々独自のパラダイムに基づく予防・治療法の基礎的基盤を築くことができれば、サルコペニアの新規予防・治療法の臨床応用の実現性は高く、健康寿命の実現に大きく寄与すると考えられ、社会的意義が大きい。
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