研究課題/領域番号 |
22K19775
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
中島 康彦 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (00314170)
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研究分担者 |
ZHANG Renyuan 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (00709131)
KAN YIRONG 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (50963732)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 確率的デジタル計算 / ニューラルネットワーク / 非決定論的学習 / 再構成可能アーキテクチャ / 確率的計算 / シリアル演算機構 / 離散行列 / 超小型 |
研究開始時の研究の概要 |
最先端AIを含む次世代アプリケーションには、小型近似演算器に加え、キャッシュメモリ が効かない離散データを効率よく扱うアーキテクチャが必須である。本研究の目的は、安定性と拡張性に優れたデジタル回路を利用しつつ、1つのビットラインに1組のデータを記憶させる手法を軸に、アドレス情報を付加した離散行列間の近似演算を高効率に実行する最適アーキテクチャを探索し、キャッシュメモリに依存しない主記憶転置型・超小型離散行列シリアル演算機構を実現することである。多数のシリアルデータを最適に読み出すスケジューラは、他の近似計算を支えるメモリシステムとしても利用価値が高い。超伝導回路との融合についても研究を進める。
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研究成果の概要 |
第1に、新しいバイセクション・ニューラルネットワーク(BNN)に基づき、論理PEアレイが、物理計算ユニットに柔軟に分割写像される仕組みを考案した。論理PEアレイの形状や位置の調整により、機能に関する空間的再構成能力を実証した。精度に関する時間的再構成能力は、SCビットストリームの長さ調整により実現できた。エネルギー効率が他の最先端近似計算ユニットより優れていることを示した。第2に、確率的コンピューティング・ニューラルネットワーク(SCNN)の非決定論的学習手法を考案した。精度が僅かに低下するものの、長いビットストリームにより引き起こされるメモリ使用量増加を抑制できることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工知能の実装に際し、これまで、厳密計算が不要であることに便乗した様々なデバイスを用いるアナログ計算手法が提案されてきた。しかし、主要なアプリケーションが、大規模言語モデルのように複雑化かつ大規模化するにつれ、アナログベースの計算基盤では太刀打ちできないことも明らかになってきた。今後、爆発的に普及することが予想される人工知能の実装手段としては、エネルギー効率を劇的に改善できるデジタル方式に期待がかかっている。本研究は、デジタル方式を維持しつつ、確率的計算を導入することにより、消費エネルギーを劇的に削減する手法として、有望である。
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