研究課題/領域番号 |
22K19821
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 茂雄 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (10282013)
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研究分担者 |
山本 英明 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (10552036)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ハイブリッド脳 / 培養神経回路 / 半導体神経回路 / 脳型計算機能 |
研究開始時の研究の概要 |
培養神経細胞を用いて再構成される人工神経回路すなわち培養神経回路と、集積回路上に実現される人工神経回路すなわち半導体神経回路を融合したハイブリッド脳を構成する。現段階では大規模系の実現が難しい培養神経回路と、機能面で未だ生体とのギャップが残る半導体神経回路、これら双方の欠点を補いうる構造可変かつ大規模な生体神経回路を模倣するハイブリッド脳を手段として、生体で実現されている脳型計算機能を検証する。従来の生理学的知見を検証すると共に、回路構造と計算機能の関係、学習機能の発現メカニズムを実験から明らかにし、脳型計算機に取り込むべき計算機能の抽出を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、培養神経細胞を用いて再構成される人工神経回路すなわち培養神経回路と、集積回路上に実現される人工神経回路すなわち半導体神経回路を融合したハイブリッド脳を構成する。研究の目的は、構造可変かつ大規模な生体神経回路を模倣するハイブリッド脳を手段として、生体で実現されている脳型計算機能を検証する。人工的に実現された神経回路において、回路構造と計算機能の関係、学習機能の発現メカニズムなどを実験から明らかにし、半導体神経回路に取り込むべき計算機能の抽出を行う。研究のスケジュールは、最初の1年半でハイブリッド脳の構成を行い、残りの1年半で脳型計算機能の抽出を行う。 本年度は、ハイブリッド脳の構成に向けて、引き続き、半導体神経回路の実装と、培養神経回路の信号計測と刺激印加を同時に行うシステムの構築を行った。半導体神経回路の開発では、サブスレッショルド領域で動作するMOSトランジスタを用いたアナログCMOS回路を用いて、96ニューロンから成る結合が可変なスパイキングニューラルネットワークを構築し、入力信号や結合構造に依存して多様な反応を示すことを確認した。また、FPGAを介して半導体神経回路とPCを接続し、PCから各種制御が可能であることを確認した。培養神経回路の開発では、高密度多点電極アレイを用いたフィードバックシステムを構築し、神経細胞の状態計測と刺激印加が同時に実行できることを確認した。さらに、各種学習則の実装に向けて、必要なソフトウェアの開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定通り進んでいる。半導体神経回路と培養神経回路のそれぞれの開発がほぼ完了した。
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今後の研究の推進方策 |
半導体神経回路と培養神経回路のそれぞれの開発が完了したことから、今後はこれらの接続・融合、すなわちハイブリッド脳の構成を中心に研究を進める。すなわち両回路をハード的に接続し、ソフトウェアによって相互作用を制御することを予定している。 続いて、脳型計算機能の抽出を行う。生体の脳と同様のモジュラー回路構造の一部を実装し、そこに発現する時空間ダイナミクスを確認し、さらに学習機能の発現などを試みる。
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