研究課題/領域番号 |
22K19837
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
河合 由起子 京都産業大学, 情報理工学部, 教授 (90399543)
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研究分担者 |
SIRIARAYA PANOTE 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 助教 (00854704)
王 元元 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00736217)
中島 伸介 京都産業大学, 情報理工学部, 教授 (90399535)
角谷 和俊 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (60314499)
田中 克己 福知山公立大学, 情報学部, 教授 (00127375)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ヘルスケア / 認知バイアス / 機械学習 / 情報推薦 / 経路推薦 / 環境要因分析 / 物質依存症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、対象物質への依存症リスクの高いSNSデータと周囲の環境情報を取得し、その情報から認知バイアスを分析することで、リスク因子の一つである環境要因が物質依存症者の罪悪感に与える影響の解明を目的とする。学術的に特筆すべき点は、酒類提供店等の明示的な環境要因を抽出するだけではなく、提供店のツイート・レビューおよび風景画像から「賑やかさ」や「日差し」といった雰囲気を潜在的な環境要因として認知バイアスを抽出することで、患者の依存物質欲求度と罪悪感との関係性を解明する点にある。本研究により、物質依存症者の行動と環境が依存物質欲求と罪悪感に与える影響を検証でき、依存物質回避の行動支援策につながる。
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研究実績の概要 |
中軽度の物質依存症者は、数ヶ月以上の長期にわたる心理的治療が必要となる。心理的治療におけるリスク因子には、年齢・性別、家庭環境、他の精神疾患に加え、依存物質の宣伝広告との接触や入手のし易さという「環境要因」が知られており、これらリスク因子を回避することが有用な治療になる。本研究では、対象物質への依存症リスクの高いSNSデータと周囲の環境情報を取得し、その情報から認知バイアスを分析することで、リスク因子の一つである環境要因が物質依存症者の罪悪感に与える影響の解明を目的とする。 本研究により、物質依存症者の行動と環境が依存物質欲求と罪悪感に与える影響をエビデンスとして検証できれば、医師による常時支援が困難であった依存物質回避の行動支援策を提供できる。 本研究課題では、Google Street View(GSV)の画像から酒類提供店等の明示的な環境要因を抽出するだけではなく、提供店のツイート・レビューおよび風景画像から「賑やかさ」や「日差し」といった雰囲気を潜在的な環境要因として認知バイアスを抽出することで、患者の依存物質欲求度と罪悪感との関係性の解明を目指す。 具体的には、アルコール依存症・ニコチン依存症を対象とし、5年分の位置情報付きツイート・店舗レビューデータ・画像データ・地図や地物を含む地理データから、心理的なリスク因子の一つである環境要因を抽出し、3種類の認知バイアスの学習モデルを生成する。そして、物質依存症者または物質依存要求の高い被験者らによる評価実験を実施し、被験者から得られたフィードバックから認知バイアスが罪悪感に与える影響を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、対象物質への依存症リスクの高いSNSデータと周囲の環境情報を取得し、その情報から認知バイアスを分析することで、リスク因子の一つである環境要因が物質依存症者の罪悪感に与える影響の解明を目的としており、以下4つの研究課題実施を計画している。 A.画像データによる環境要因抽出:GSVやFlickr等の画像データから依存物質に関する情報を環境要因として抽出する。具体的には,コンビニの看板から「酒・煙草」や居酒屋の看板の「飲み放題」のテキスト抽出、画像中のビルや樹木のオブジェクトを抽出する。 B.ツイート・レビューによる環境要因抽出:酒・煙草の販売店や提供店・場所から周辺のツイート・レビューから対象物質の依存リスクに基づき分類し、環境要因を含む特徴語として抽出する。 C.認知バイアスの学習モデル構築: A.とB.のSNSデータとオープンデータから抽出した環境要因より、アルコールまたはニコチン依存症に関する認知バイアスを抽出する。抽出された認知バイアスに対して人手によるラベンリグを行い、BERT、CNN等の学習器による学習モデルを構築し検証する。 D.地物・経路の検索推薦機構の開発と検証:認知バイアスに基づき地物・経路を環境要因との接触率と共に地図上に提示する、検索・推薦機構を開発する。地物・経路推薦システムを用いて、実施機関の大学と周辺地域の複数のフィールドで被験者実験を実施する。得られた結果を申請者らと共同研究を実施してきた京都府立医科大学と共有し、医学的エビデンスを検証する。 本年度は、A.B.C.の研究課題に取り組み、研究成果はジャーナルと国際会議に採択された。
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今後の研究の推進方策 |
今後、D.地物・経路の検索推薦機構の開発と検証を実施し、得られた知見よりA.B.C.の改善を実施する。また、発展的研究として、国民病と言われる糖尿病や心房細動術後患者のリスク因子の解明につながる方策を検討する。
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