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メチル水銀の個体差・感受性を決定するメチル水銀脱メチル化酵素の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K19850
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分63:環境解析評価およびその関連分野
研究機関北里大学

研究代表者

清野 正子  北里大学, 薬学部, 教授 (30239842)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワードメチル水銀 / 無機水銀 / 脱メチル化 / 細胞毒性 / アグリソーム / オートファジー / 水銀毒性 / メチル水銀脱メチル化酵素
研究開始時の研究の概要

本研究の期間内に, プール型shRNAレンチウイルスライブラリーによるスクリーニング手法と各種阻害剤を用いて, 生体内のメチル水銀の脱メチル化酵素Xを同定する。その過程においては, 脱メチル化活性が知られているシトクロムP450ファミリー分子に注目し, メチル水銀の脱メチル化活性について検討する。メチル水銀の脱メチル化酵素Xを同定した後, 動物培養細胞においてXの欠損あるいはXの過剰発現細胞を樹立する。樹立した細胞を用いてメチル水銀の脱メチル化酵素Xによって産生される無機水銀が神経変性疾患および糖尿病の発症や増悪に関わるか否かを検証する。

研究実績の概要

メチル水銀による障害組織, 細胞影響などその全貌は未だ明らかになっていない。微生物が持つメチル水銀を脱メチル化する酵素MerBを哺乳類動物細胞に強制発現させた細胞株MerB発現細胞を用いた申請者の先行研究から、細胞内で生じた無機水銀は、メチル水銀の細胞毒性の強さを決める実行因子となりうる知見を得ている。本研究では、細胞内でメチル水銀から変換された無機水銀に焦点をあて、無機水銀の細胞影響、および、メチル水銀から無機水銀の産生メカニズムを明らかにしたい。
本年度は、MerB発現細胞にメチル水銀を処理すると、アグリソームと呼ばれる巨大が変性タンパク質の凝集塊が出現した。この構造体は野生型細胞では認められないことから、無機水銀特異的であることが示唆された。このアグリソームはオートファジーにより除去されることが阻害剤を用いた実験より示唆され、オートファジーが無機水銀毒性の防御に必要であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請者は先行研究において、MerB発現細胞の解析から、細胞内で生じた無機水銀は重金属の解毒に働くメタロチオネンや抗酸化酵素ヘムオキシゲナーゼ-1の強い発現誘導の惹起を見出した。本年度は、無機水銀の細胞毒性メカニズムの解析を進めた結果、無機水銀特異的なアグリソーム形成と細胞内の無機水銀産生による強いオートファジー応答を見出し、このオートファジー応答が無機水銀の細胞毒性の軽減に重要な役割を持つことを明らかにした。これらの結果は、最終年度に予定していた無機水銀による細胞影響解析項目であり、一定の進捗が得られたといえる。

今後の研究の推進方策

申請者が見出したアグリソーム形成について、MerB発現細胞を用いた実験系により形成メカニズムを解析していく。
標的遺伝子のスクリーニングにおいてヒット候補がうまく得られておらず、本研究にとって最も重要なメチル水銀の無機化酵素の同定に至っていない。引き続き標的遺伝子のスクリーニングを継続する。またRNA-seqについても条件を検討し、メチル水銀を無機化する酵素を特定することに注力する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Conversion of methylmercury into inorganic mercury via organomercurial lyase (MerB) activates autophagy and aggresome formation2023

    • 著者名/発表者名
      Takanezawa Yasukazu, Ishikawa Kouhei, Nakayama Shunsuke, Nakamura Ryosuke, Ohshiro Yuka, Uraguchi Shimpei, Kiyono Masako
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 号: 1 ページ: 19985-19996

    • DOI

      10.1038/s41598-023-47110-y

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 無機水銀によるユビキチン化タンパク質の蓄積とオートファジー応答2023

    • 著者名/発表者名
      高根沢 康一, 石川 航平, 中村 亮介, 大城 有香, 浦口 晋平, 清野 正子
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 無機水銀によるユビキチン化タンパク質の蓄積とオートファジー応答2023

    • 著者名/発表者名
      高根沢康一, 石川航平, 中村亮介, 大城有香, 浦口晋平, 清野正子
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会(2023)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 健康と環境の見地からひもとくメチル水銀毒性防御に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      清野正子
    • 学会等名
      フォーラム2022衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [備考] 北里大学薬学部・公衆衛生学教室・研究室紹介

    • URL

      https://www.kitasato-u.ac.jp/pharm/research/laboratory/laboratory-detail/?lab_pk=1669807776

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

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