研究課題/領域番号 |
22K19854
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
香川 聡 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40353635)
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研究分担者 |
久保田 多余子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70353670)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 酸素同位体比 / 炭素同位体比 / 水素同位体比 / 日輪 / 髄 / 古気候復元 / 葉面吸水 / 年輪 |
研究開始時の研究の概要 |
樹木は水平方向に肥大成長する速度の100~200倍の速度で垂直(上)方向に伸長成長するため、「水平方向に(年輪の)安定同位体比を分析するよりも、垂直方向に(髄の)分析をしたほうが高い時間分解能で降水量復元ができるのでは?」、という着想を代表者の香川聡は得た。そこで本研究では、樹木の「萌芽」とも言える梢の頂端で形成される髄の同位体比実測データを用いて、年輪の同位体比による古気候復元で用いられている年輪の酸素・水素同位体比と降水量・湿度を関連付けるモデルをベースに、髄の酸素・水素同位体比と降水量・湿度を関連付ける同様のモデルを構築し、高精度・高時間分解能で降水量を復元することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、1)苗木の髄の同位体比測定、2)髄の同位体比を説明するモデルを構築し、どの程度の精度で降水量を復元することができるかを検証することが目的であった。初期の計画で予想した、降水イベントを反映すると思われる酸素同位体比のピークは頂端から7cm程度の部分のみで観測され、それ以下の部分では明瞭には観測できなかったため、酸素同位体比からの復元は困難であることが分かった。一方で、髄の炭素同位体比については、日射量の日周期を反映すると思われる規則的な変動が見られたので、年輪ならぬ日輪が存在する可能性を発見した。髄の炭素同位体比により、過去の天気を高時間分解能で復元できる可能性が明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
髄の炭素同位体比分析により、日~週単位という高時間分解能での過去の天気を復元する可能性があることを示せたという点では、学術的意義および社会的意義は高いと思われるが、実際に過去の天候(晴天・曇天・雨天)を日~週単位という高時間分解能で復元するまでには、複数の個体で炭素同位体比の変動が同調することを確認し、髄の形成時期を正確に推定できるようになることが必要であり、さらなる研究の継続が必要である。
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