研究課題/領域番号 |
22K19858
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
井岡 聖一郎 弘前大学, 地域戦略研究所, 教授 (40598520)
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研究分担者 |
若狭 幸 弘前大学, 地域戦略研究所, 准教授 (40442496)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 地熱 / 地下流水音 / 溶岩流 / 崩壊地 / 火山 / 地下断裂 / 地下川 / 火山ガス / 北八甲田火山群 / 硫黄岳 / 地下断裂構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の地熱資源探査法は地球物理学的探査法の一つに該当する。従来の課題は,地下断裂構造の空隙が推定できないという点である。しかし,本研究の新たな地熱資源探査法構築は,火山ガスが通過できる空隙をもつ地下断裂構造の推定を試み,既存の地熱資源探査法と組み合わせることで地熱資源探査地域における目視できない断層,割れ目からなる断裂構造の評価の精度の向上が可能になると考えられる。また,探査経費も小さい。
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研究実績の概要 |
溶岩流定着地域で実施した2022年度の地下流水音観測は,地下を流れている水の存在の検出に本手法は有効であると示唆された。そこで,2023年度は,水中の気泡の存在が認められた湧水地点を囲むように四方で地下流水音の観測を実施した。その結果,湧水の西側方向において大きな地下流水音を観測することができ,地下の気泡の存在を識別できたかと考えられた。しかし,後日無降雨時期が続いた後,湧水の流れもなくなるほど水面が低下した結果,西側に空洞が認められ地下を流れる水の経路方向についての情報を地下流水音が提供していたことが明らかになった。さらに,2023年度は地下の断裂構造から流出していると考えられ現在地下に埋没している温泉の検出手法としての可能性について地下流水音観測と湧水等の水質分析から評価した。対象地域は,過去に温泉の湧出が存在したが現在その位置が不明である北八甲田火山群赤倉岳の崩壊地内を流れる標高約600m周辺域の空川である。本地域では,最初に空川流路に対して垂直方向(空川から離れる方向)に地下流水音観測を実施した。空川流路に最も近い観測点が最も大きな地下流水音が観測された。ただし,その近辺に水(温泉)の存在は確認できなかった。さらに,空川は,地表水が地下に浸透して消失し,再び地表へ現れてくるなどしながら流下していることから,地下に浸透した場において地下流水音の観測も実施した。その結果,地下に浸透した場においても,必ずしも地下流水音が大きく観測されず,複雑な地下の浸透機構が存在していることが示された。以上の結果,地下流水音は溶岩流定着地域や崩壊地における地下の水の経路の情報を提供できることが示されたと考える。
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