研究課題/領域番号 |
22K19865
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
本多 了 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (40422456)
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研究分担者 |
原 宏江 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (70823524)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ペルフルオロアルキル化合物(PFAS) / バイオレメディエーション / 生物処理 / 難分解性物質 / パーフルオロアルキル化合物 / PFAS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,微生物をポリマー製ろ過膜のカプセルに封入する「微生物カプセル」を利用した水処理プロセスを提案し,その効果を検証する。微生物カプセルにさまざまな有用微生物を封入することで微生物群集を自由にデザインできるようになり,難分解性物質の分解や水素やPAHなどの資源・エネルギー生産などのさまざまな機能を付加した廃水処理プロセスの実現を目指す。
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研究実績の概要 |
PFOS分解細菌集積株において優占する細菌の全ゲノムを、ハイブリッドゲノムアセンブリー法を用いて解析した。アセンブルされた7つのコンティグの中で、2つのMAG(Metagenome-assembled genome)が完全に構築できた。これらのMAGからは、脱スルホン化および脱フッ素化に関連する遺伝子が同定された。,これらの遺伝子は、遺伝子発現解析の結果では高い発現量を示したが,PFOSありとなし(control)の両条件下で発現量に有意な差はなかった。一方,統計的に有意に発現量が変化した遺伝子(有意水準:FDR<0.001)はすべてPFOS添加条件下で発現量が低下していたものに限られた。しかし、利用可能なデータベースの限界により、これらの遺伝子がPFOS分解経路にどのように関与するかについての詳細な知見を得ることはできなかった。検出された代謝産物と得られたMAGより,本研究で得られたPFOS分解細菌のPFOS分解代謝経路において,脱硫酸および脱フッ素化過程が存在していたが示唆された。 また,実際の汚染水をマトリックスとしてメタノール添加による分解率を比較したところ,本研究で得られたPFOS分解細菌は,追加の炭素源がなくてもPFOSを分解可能であることが明らかになった。さらに,昨年度選抜した2種類の陰イオン交換樹脂を用いてカラム試験(シャローベッド試験)を行い,より実際的な処理条件下において,選抜樹脂のPFOS・PFOA除去に対する有効性と,環境水中の溶存有機物が樹脂の吸着性能に正負両方の影響を与えることを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メタノール添加による効果を明らかにし,分解細菌のドラフトゲノムを得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
微生物カプセルを充填したカラムによるPFOS除去試験を行い,PFOS・PFOA吸着能の高い多孔性の陰イオン交換樹脂との除去性能の比較を行う。また,微生物カプセルによるPFOS除去におけるカプセル表面膜への吸着と生物分解それぞれの寄与率を明らかにする。
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