研究課題/領域番号 |
22K19873
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
増原 直樹 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (30597802)
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研究分担者 |
鎌谷 かおる 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (20532899)
中嶌 一憲 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (70507699)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 兵庫県神河町 / 小水力発電 / 電気事業要覧 / 流況曲線 / 産業連関分析 / 地域経済循環分析 / 水位・流量曲線 / 再生可能エネルギー / 水力発電 / バイオマス利用 / 統合アプローチ / 市民の科学 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の「中央集権型」と対極に位置するエネルギー事業形式として「地域・市民共同発電」に着目し、中でも実践例が少ない水力・木質バイオマス利活用の推進を図るため、市民主導型の水力・木質バイオマス利活用の意義を、(1)歴史的な径路依存性を検討する歴史研究、(2)事業収益の帰属を分析する経済評価、(3)地域の課題解決を図るための社会研究の3側面から統合的に明らかにすることを研究の目的とする。具体的には、水力発電の候補となる河川流量や地域の木質バイオマス利用可能量を生活者・教育者等との協働で算出していく一連の手法を、全国で各地をフィールドとしてCitizen Science(市民の科学)として確立する。
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研究実績の概要 |
研究代表者が統括する社会班の他、歴史班、経済班それぞれの研究実績は次の通りである。 【社会班】以前から地元住民との協力体制づくりが先行していた兵庫県神河町において、小水力発電所(200W級)が立地していた越知川流域を対象として、住民団体による流量測定(月2~3回)の支援を継続した。そのため、2022年10月末から開始している機械式の水位測定のデータを適宜引上げ、それらの結果を用いて,河川の水位(H)-流量(Q)曲線を作図し、水位から流量を推定する数式について検定した他、愛媛大学農学部・佐藤研究室の協力を得て、365日の流況曲線を推定し、高水位・低水位などを明らかにした。さらに、流域の森林組合代表者や町役場関係者などを対象として越知川の水の使い方や昔と比較した現在の問題点などについて、引き続いて聞取り調査を実施した。 【歴史班】明治から大正期にかけての電気事業について全国的な動向を知るための資料のデータ化を継続し、電気事業の濫觴を把握することに努めた。具体的には、逓信省電気局編集『電気事業要覧』のうち国立国会図書館デジタルコレクションにて全ページ公開されている年度のものを抽出し、全国で開始・運営された発電事業の種類・規模・所在地のデータ化を進めた。電子アーカイブでは、解像度の悪さや当時の印刷技術に関わる紙資料自体の劣化もあり、全ての要覧をもとにデータ化していくには時間を要するが、今年度は上記に当てはまるすべての『電気事業要覧』を素材として必要項目を抽出し、データベース化を行うことができ、当時の発電機の種類が漢字表記であり、現在の水車の種類と対応させることに課題があることなどがわかった。 【経済班】 2024年度以降の本格的な経済評価に向けて、京都府福知山市における産業連関分析や地域循環経済分析を試行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各班の研究は進捗しているが、班の間での連携がやや遅れている。例えば、社会班と歴史班で同じ神河町を対象として調査研究ができていない。また、社会班と経済班の間でも同様である。
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今後の研究の推進方策 |
社会班、歴史班では、神河町に対する先行事例として、以前存在した水力発電を復活させた奈良県東吉野村における水力発電の歴史と大正時代の地域社会における水力発電の位置づけなどについて、現地調査(ヒアリングを含む)や文献調査を進めて連携していく予定である。
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