研究課題/領域番号 |
22K19876
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鹿又 宣弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40221890)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 地球温暖化対策 / 二酸化炭素回収 / CCS / ジエチレントリアミン / カルバミン酸 / 純液体吸収液 / 化学吸収法 / 純液体アミン / カルバメート形成 |
研究開始時の研究の概要 |
CO2の大規模回収法である化学吸収法では,混合アミン水溶液が広く用いられており,その性質上CO2を分離・回収する放散過程で高いエネルギーが必要である.そこで申請者はアミンを純液体として用いるCO2回収システムが有望であると考え,カルバメート形成が容易でCO2吸収に優れた2級アミン部位とそのプロトン受容体となる3級アミン部位を分子内に併せ持つ新たな機能性アミン分子を独自に設計した.本研究では,分子両端に3級アミン部位を有するジエチレントリアミン誘導体を合成し,これらの機能性アミンを純液体として用いる高効率な燃焼排ガス用CO2吸収・放散システムを開発する.
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研究成果の概要 |
本研究では、ジエチレントリアミン誘導体(DETAs)を純液体として用い、高効率なCO2回収システムの構築と評価を行った。市販原料から7種類のDETAsを合成し、CO2吸収・放散性能を測定した結果、参照物質であるジエタノールアミン(DEA)に比べて約1.5倍優れたCO2吸収性能を示した。また、吸収後のCO2放散率は80%以上、エチル基を有するDETAでは100%に達し、高効率かつ再現性の高いCO2回収システムの実現が可能となった。さらに、DFT計算およびスペクトル測定の結果から、DETAsがモル比2:1でCO2を捕捉する安定な会合体を形成し、カルバミン酸が主要生成物であることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、純液体アミンであるジエチレントリアミン誘導体(DETAs)を用いた高効率なCO2回収システムの構築に成功した点にある。DETAsは、既存のジエタノールアミン(DEA)に比べて約1.5倍のCO2吸収性能を示し、吸収後のCO2放散率も80%以上と極めて高い。この結果は、エネルギー消費を抑えながらCO2回収効率を向上させる可能性を示しており、学術的には新たな吸収材の開発と反応機構の解明に貢献する。また、社会的には、持続可能なCO2削減技術の実現に寄与し、地球温暖化対策として重要な役割を果たすことが期待される。
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