研究課題/領域番号 |
22K19880
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
石井 励一郎 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (40390710)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | トランススケール / 数理モデル / 生態系機能 / GHG排出 / GHG排出量の推移 / 人口の推移 / 大陸間国間比較分析 / 複数地球環境問題の同時解決 / マルチ空間スケール / 順応的管理型モデル |
研究開始時の研究の概要 |
従来の地球環境モデリングは、単一の問題と空間スケールに特化しており、複数空間スケールで起こっている複数の地球環境問題の同時解決策を示せていない。 本計画では、多様な生態系と資源利用法をもつ複数の地域間を、相互の資源/環境負荷の移動と1つの全球気候システムでつないだ新たなモデルを構築する。各地域の資源利用法で決まる当該地域、隣接地域、全球の環境の変化を通じて、自らの地域の環境にフィードバックを与え、それに基づき各地域が資源利用法を修正する"順応管理型"スキームにより、地球環境問題の同時解決法が得られる条件を理論的に求める。地域多様性や自主性に基づく現実的包括的な同時解決法の可能性が期待される。
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研究実績の概要 |
今年度は主に本研究の骨格となるモデルの基本構造を、国・地域スケールとグローバルスケールで構築し、それぞれで特異的に扱えるパラメーターと相互作用を抽出しながら、両スケールの間で整合性をとるという作業をおこない、本研究の基本アイデアを関連する国際学会で発表し、世界の研究事例の情報収集および参加者との意見交換をおこなった。前年度に収集・整理した国地域ごとのエネルギー、水、食料の消費量と、グローバルの大気循環へのGHG排出に加え、地域への閉鎖的な負荷となる窒素の排出、生態系への影響をそれぞれ地域のサブモデルとして構築したうえで、これらを連結したグローバルのモデルとして繋いだ。ここでは、国・地域内の短時間でのフィードバック系と、大気・海洋を介した長時間のフィードバック系を繋ぐとともに、後者の負の外部性に起因するグローバルな排出コモンズの問題と前者の地域の生産消費活動の間の要因連関を定式化するとともに、排出コモンズの問題の制御を国・地域の関数から基底、制御する可能性が見えてきた。 本研究の基本アイデアに関連する国際学会での発表と情報交換:ドイツで開催された学会 ”ECEM2023 ”(2023年9月)において、本研究の基本アイデア、モデル構造とその背景となる問題について整理し発表し、参加の関連分野の研究者から多くのコメントと関連する研究動向についての情報を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年後半、研究代表者とその家族に健康上の問題が生じたため、2023年度の研究に当てられる時間が制限された。モデル自体の開発が当初の計画より少し遅れているが、状況は改善しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に整理した長期間で地域間の定量的な比較が可能なデータと定性的な整合性を維持しながら、本計画の核心となる複数スケールのモデルを連結する作業部分には時間をかけることとなったが、当初想定していなかったグローバル・コモンズの問題に対する説明可能性を見出すことができたため、その文脈での本研究の複数スケールモデルの有効性についても合わせて検討する。
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