研究課題/領域番号 |
22K19888
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
金野 智浩 東北大学, 薬学研究科, 教授 (80371706)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | リン脂質ポリマー / フェニルボロン酸 / 細胞膜修飾 / 細胞膜修飾技術 / 可逆反応・分子間相互作用 / 細胞操作技術 / 凝集・脱凝集 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではマルチリガンド型の細胞凝集・脱凝集化剤を創製し,培養過程にある細胞に対して多価相互作用を用いて可逆的に細胞凝集と脱凝集を制御できる細胞分離技術を開発する。培養液に添加するだけで細胞が自発的に凝集し,かつ,糖分子を添加するだけで脱凝集する簡便な細胞分離技術を開発する。これにより,細胞培養のオートメーション化を図ることができるようになり,一定品質の細胞材料を大量に安定供給することができるようになる。
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研究実績の概要 |
本研究ではマルチリガンド型の細胞凝集・脱凝集化剤を創製し,培養過程にある細胞に対して多価相互作用を用いて可逆的に細胞の凝集と脱凝集の状態を制御できる細胞分離技術の開発を目的としている。当該年度は昨年度に引き続き本研究に用いる要素ポリマーの合成を行った。親水性モノマーとして側鎖にリン脂質極性基を有する2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン,側鎖にフェニルボロン酸基を有する3-メタクリルアミドフェニルボロン酸を要素とし,さらにポリマーの溶存状態制御を目的として2-ヒドロキシエチルメタクリレート,またはn-ブチルメタクリレートからなる3元共重合体を合成した。これらのポリマーに含まれるフェニルボロン酸基を有する水溶性ポリマーが個々の細胞に対して結合能を有していることを見出すことに成功した。また,非水溶性ポリマーとして合成したものについては培養基材の表面修飾に適用した。その結果,播種した細胞が可逆的に接着する現象を見出した。一方,個々の細胞を凝集させるためには個々の細胞に結合したポリマー間での分子間相互作用を生起させなければ凝集までは至らないことがわかった。したがって,ポリマーの水中における溶存状態制御として,温度やpHなど系内の環境に応じてポリマー間の会合挙動や凝集挙動を可逆的に制御する必要であると考えている。次年度以降、モノマーユニットの選定を含めて,浮遊系細胞の凝集と脱凝集を可能とするポリマー構造を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究ではフェニルボロン酸基を有する水溶性ポリマーによる個々の細胞に対する細胞膜修飾に続いて,それらの細胞群の可逆的凝集を引き起こすことを計画している。これまでに個々の細胞に対して可逆的に修飾できるポリマーの合成には成功したものの,それら複数の細胞を可逆的に凝集させるところまでは至っていない。その原因としてポリマー間での分子間相互作用が十分に機能していないことが考えられる。したがって,次年度以降において温度やpHなど物理的な外部刺激に応じてポリマーの凝集・脱凝集が行えるユニットの導入を計画している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究により,個々の細胞を可逆的に凝集・脱凝集させるための要素機能として,(1)非毒性,(2)細胞膜糖鎖への可逆的結合,そして(3)ポリマー間での凝集・脱凝集が必要であると考えられる。これまでに非毒性および個々の細胞の細胞膜糖鎖への可逆的結合は達成されているものの,(3)のポリマー鎖間での凝集・脱凝集の機能を導入する必要がある。そこで,今後の研究の推進対策として,系内の物理刺激(温度やpH)を利用したポリマーの凝集・脱凝集を導入することを計画する。
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