研究課題/領域番号 |
22K19890
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
長山 和亮 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (10359763)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 細胞バイオメカニクス / メカノバイオロジー / 細胞骨格 / 細胞形態 / 恒常性 / 修復 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,血管や骨などの生体組織を構成する細胞に備わると考えられる「構造と力の記憶」のメカニズムを明らかにする.具体的には,独自の細胞操作技術を駆使しながら,細胞の形態維持や運動,力に対する応答を制御しているアクチン細胞骨格に着目して,これらの内部構造を乱した後に,その構造や張力が再現する過程を詳しく調べる.そして,細胞や組織全体が如何にして「記憶の維持」と「記憶のリセット」を切り替えているのか明らかにする.
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研究実績の概要 |
血管や骨,皮膚などの生体組織は力学環境の変化に応じて「リモデリング」する.このリモデリングを担う細胞骨格要素として,アクチンストレスファイバが注目されてきた.研究代表者は,ストレスファイバには,自身の構造が一旦バラバラになっても,ファイバの配向や発生する張力を効率良く再現させる「構造と力 の記憶」が備わる可能性に気付いた.このような個々の細胞骨格分子の特性は,外乱に対する組織全体の恒常性を保つ基盤原理となっている可能性が高い.研究の最終年度では,独自開発した短パルスレーザアブレーションシステムを使って,血管平滑筋細胞ならびに筋芽細胞内の個々のストレスファイバを切断し,その収縮挙動ならびに再生する様子を高解像度画像として捉えた.そして,切断されたストレスファイバの収縮挙動を1次遅れ系で近似して,個々のファイバの粘弾性特性と,再生能との関連性を詳しく調べた.その結果,切断されたファイバの収縮速度が比較的早く,収縮が早く完了するファイバほど,再生能が高いことが分かった.逆に,ゆっくりと収縮し続けるファイバは再生しない場合が多く見られた.高ひずみ領域に集積するアクチン関連タンパク質であるジキシンの局在を調べた結果,ファイバの力が増加するほど,ファイバ全体に均等に分布する様子が分かった.これらを考慮すると,切断されたファイバ収縮する際に,外部の抵抗を受けることによってファイバ切断端に高ひずみが発生しないためジキシンが集積できず,ファイバの再生が抑制されると考えられた.また,血管平滑筋細胞に比べて筋芽細胞のストレスファイバの方が再生能が高く,それがストレスファイバ周辺の他の細胞骨格要素の分布の違いに関わることが示唆された.
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