研究課題/領域番号 |
22K19899
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
長瀬 健一 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 准教授 (10439838)
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研究分担者 |
綾野 絵理 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 研究員 (10424102)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 温度応答性高分子 / 高分子ブラシ / 機能性界面 / バイオ界面 / 細胞分離 / 細胞組織 / 細胞治療 / 界面 / 高分子 / バイオマテリアル / 分化 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、細胞を移植することで治療を促す治療法が、様々な難治性疾患に対する治療法として検討されている。しかし、治療に用いる細胞を作製するためには、様々な工程が必要であり、効率的な治療用細胞の作製方法が強く望まれている。そこで本研究では、播種、培養するだけで効率的に治療用細胞を作製する細胞培養皿を作製する。この培養皿により、治療用細胞を効率的に作製することで、細胞治療を革新的に促進させる。
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研究実績の概要 |
本研究は、治療用細胞を効率的に界面で作製するための温度制御型の機能性バイオ界面の作製を目的にしている。 2023年度は、標的細胞を界面上に効果的に捕捉するための二種類の機能性バイオ界面を作製した。 下層に細胞と特異的な親和性を有するペプチドを有する高分子、上層に温度変化により伸長・収縮を起こす温度応答性高分子を有するブロック共重合体をガラス基板に修飾した機能性界面を作製した。ガラス基板の表面に原子移動ラジカル重合(ATRP)の開始剤をシランカップリング反応により修飾した。さらに、クリック反応の官能基であるプロパルギル基を有する高分子を一段階目のATRPにより修飾し、二段階目のATRPで温度応答性高分子を修飾した。その後、クリック反応により細胞と特異的な親和性を有するペプチドを高分子界面に修飾した。作製した高分子修飾界面は、温度によって標的細胞を接着・脱離することで細胞を分離できる事がわかった。 また、下層に肝細胞と特異的な親和性を有する糖構造の官能基を有する高分子、上層に温度変化により伸長・収縮を起こす温度応答性高分子を有するブロック共重合体をガラス基板に修飾した機能性界面を作製した。作製した機能性界面に高温(37℃)で肝細胞を播種したところ、上層の温度応答性高分子が収縮することで、下層の糖構造の高分子と肝細胞が相互作用しやすくなるため、肝細胞の接着を促進させることができる事がわかった。さらに、肝細胞を機能性界面上で培養し、温度を下げることで、シート状の細胞組織を作製できることがわかった。 これらの結果より、標的細胞の高分子ブラシ界面への選択的接着と温度低下による標的細胞の回収、さらには細胞組織の作製が可能であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度に予定していた標的細胞のみを選択的に接着させる機能性高分子ブラシ界面の作製に成功している。また、標的細胞の純度を上げる条件検討をすることができた。さらには、細胞組織の作製にも成功している。これらの理由より当初の計画どおり順調に進捗しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度に引き続き、界面上で細胞を操作する機能性高分子ブラシ界面の作製を行う。さらに、標的細胞の回収操作の最適化、標的細胞の機能性評価、機能性細胞組織の作製などを行う。
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