研究課題/領域番号 |
22K19901
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
白石 貢一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40426284)
|
研究分担者 |
望月 慎一 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (10520702)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | PEG / 抗体 / 構造変化 / ポリエチレングリコール / ポリエチレングリコー(PEG) / 抗原性 / 免疫記憶 / 免疫的記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで、化粧品、食品等に使用されているポリエチレングリコール(PEG)、およびその 類似体は相互作用の弱い分子であり、免疫原性が低く、応答を引き起こさないとされてきた 。本申請者は、PEGと抗PEG抗体との関係からPEGの免疫原性の原因を追究し、本質的にPEG鎖に免疫原性はないことを見出している。一方、そこから考えられる問いは免疫記憶B細胞形成無しに抗原特異的な免疫的な記憶の働きが存在しているのではないか?である。即ち、非免疫原性分子の曝露においても、免疫的な記憶が残り、同じ分子に対する再感染への応答を準備している側面があるという仮説をPEG分子を用いて解明に挑戦する萌芽的研究である。
|
研究成果の概要 |
PEG受容体とハプテン性PEGとの繰り返し相互作用が、PEG構造に最適化されたPEG受容体として記憶され、免疫応答に影響を及ぼすという非免疫原性分子による免疫的な記憶の仮説について検証した。PEG受容体と同様の抗PEG抗体は、PEGの分子量、かつ濃度依存的に相互作用を高めると、抗PEG抗体は、通常では容易に解離される低親和性PEG(MW=12k)を保持することがGPC、およびELISAにより示唆され、脾臓夾雑環境への高濃度PEG曝露がPEG受容体構造を最適構造へと変化させていることを示唆している。PEG前投与が、免疫原性PEGの応答を高めている可能性がin vivoにおいて示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗体構造は平衡状態にあり、最適な構造の際に抗原と結合するconformational selectionと、抗原と抗体が結合した後に構造変化が誘導されるInduced-fitがあるとされる。本研究は、濃厚PEG溶液という外的要因に基づく構造変化(conformational selection)とその環境下において、抗原との相互作用の結果、Induced-fitによる構造変化が誘起され、これが2回目以降の抗原暴露において、抗体の抗原認識を増強するのではないかという仮説を検証した。In vivoにおいても特異性を維持しながら、構造的な状況が変わることが示唆され、構造的免疫的記憶を実証した。
|