研究課題/領域番号 |
22K19902
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
上村 真生 東京理科大学, 先進工学部機能デザイン工学科, 准教授 (80706888)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | ナノ粒子 / 近赤外光 / フォトサーマル効果 / TRPチャネル / COVID-19 / 細胞操作 / 感覚器操作 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、生体に非侵襲な近赤外光に応答して味細胞膜のタンパク質を活性化できるナノ粒子デバイスを新規に開発し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による味覚障害を回復させる革新的治療法を開発することを目的とする。本研究提案ではまず、「近赤外光に応答して発熱し、生分解性を有する高分子ナノ粒子」を開発する。つぎに、このナノ粒子を用いて、味細胞の温度応答性イオンチャネルを非侵襲かつ遠隔的に操作し、ナトリウムイオンの流入を促進することによって、味細胞の機能を活性化し、味覚を回復させる技術を開発することに取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究は、近赤外光に応答して発熱(フォトサーマル効果)するナノ粒子を開発し、味覚にも関連する細胞膜上の温度感受性イオンチャネルを活性化することで、COVID-19による味覚障害を回復させる治療法に向けた基礎的知見を得ることを取り組んだ。作製したフォトサーマルナノ粒子は、優れた生体適合性と生分解性、フォトサーマル効果を示した。また、細胞膜上に存在する代表的な温度感受性イオンチャネルであるTRPV1に結合し、近赤外光照射下において神経細胞へのナトリウムイオン流入の促進と膜電位の上昇が観察された。これらの結果から、本研究で開発したナノ粒子は、味細胞を含む神経細胞の活性化に適用できると期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新型コロナウイルス感染者の後遺症などにみられる味覚・嗅覚障害は、その症状が長期間に渡って残る場合もあり、味覚・嗅覚障害を治療する技術の開発が社会的にも強く期待されている。ナノ粒子を用いた医用生体材料はこれまでにも、低分子薬物などの既往技術では難しかったさまざまな治療技術を可能にしてきた。本研究で開発した技術についても、生体に害のないナノ粒子材料と光照射を用いることによって、患者の体に副作用がない安全な治療が実現できることが期待できる。
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