研究課題/領域番号 |
22K19910
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高井 まどか 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40287975)
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研究分担者 |
日比野 浩 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70314317)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 高分子ナノゲル / 酵素 / 燃料電池 / 生体適合性 / ナノゲル / 生体 / バイオ燃料電池 / 生体内埋込 / 長寿命 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、電子伝達量を向上させるために、酵素と電極と接触面積を増やす技術を開発する。 代表者らはすでに生体適合性ハイドロゲルのを作製し、タンパク質共存下でも10日間にわたり性能維持できるバイオ燃料電池を開発した。しかし、ハイドロゲル中の酵素と電極間の距離が遠く電力が十分に取り出せない。そこで本研究は、ナノサイズの生体適合性ハイドロゲルを、分子量や架橋密度を調整して作製し、酵素を固定化する。カーボンナノチューブ(CNT)や、白金黒などの比表面積の大きな電極に、酵素内包ナノゲルを組み合わせて電子伝達量増大を図り、高出力バイオ燃料電池を創製する。
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研究実績の概要 |
酵素バイオ燃料電池は、体内のグルコース、酸素を基質とする酵素反応により発電し、生体内埋め込み型医療機器の駆動を行う電源としての応用が期待されている。これまでに、我々は生体内埋め込み型酵素バイオ燃料電池への応用を目的として、双性イオン性の2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine (MPC)と活性エステル基を持つmethacrylic acid N-hydroxysuccinimide ester (MNHS)の共重合体(PMS)のハイドロゲルを開発してきた。MPCユニットは優れた生体適合性を有するため、PMS被覆電極は、生体内埋め込み電池として機能することが期待できる。 今年度は、さらに高い電子伝達効率を達成するため、PMSゲルを、粒径を制御したナノゲルとして合成し、ナノゲルの物性および電気化学特性、バイオ燃料電池としての評価を行った。 ナノゲルのサイズ、均一性は、可逆的付加-開裂連鎖移動型のリビングラジカル重合を用い低分子量のPMSを作成することで20nm程度の均一なゲルができるプロセスを見出した。また、PMSナノゲルに電子伝達物質のフェロセンを導入、および酵素を固定化することができた。酵素固定化後のナノゲルを固定した電極と、従来のフリーラジカル重合で合成したPMSゲルを固定化した電極との電気化学特性、電池特性を比較した。ナノゲル構造へのフェロセン導入量を適切に設計することで、高い電子伝達密度を達成できることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
作製した酵素固定化ナノゲルを燃料電池の電極に固定化する技術を確立するのに時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
ナノゲルの粒径はフェロセニル基導入量や分子量によって制御することができ、ハイドロゲルと酵素を架橋剤を用いて導入することで均一なナノゲルが得られた。本ナノゲルを、表面積のより大きい電極と組み合わせることによって更なる出力向上が予想される。さらに生体内埋込後の安全性試験を行い、生体内埋め込み型酵素バイオ燃料電池の機能を評価する。
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