研究課題/領域番号 |
22K19927
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
大矢根 綾子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (50356672)
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研究分担者 |
宮治 裕史 北海道大学, 大学病院, 講師 (50372256)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | レーザー / アパタイト / リン酸カルシウム / バイオミネラリゼーション / エナメル / 転写 / 歯科用コンポジットレジン / 過飽和溶液 / 成膜 / 歯 / 光硬化 |
研究開始時の研究の概要 |
う蝕(虫歯)治療の最大の課題は、レジン等の修復物との隙間に侵入したう蝕原因菌による二次う蝕(再発)である。本研究の目的は、研究代表者らが開発した2種類の光技術(レジンの光重合を利用した膜転写法、過飽和液中レーザー照射法)を利用し、レジン修復歯面上で擬似バイオミネラリゼーションを迅速誘導し、フッ素(抗菌性・歯質強化作用を持つ生体元素)を添加したアパタイト膜(強化エナメル膜)でレジン修復歯面を改質・高機能化するための技術を開発することである。歯質のモデル基材やヒト抜去歯より作製される歯基材を用いて技術開発を進め、レジン修復歯面の高機能化について検証する。
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研究実績の概要 |
う蝕(虫歯)治療の最大の課題は、レジン等の修復物との隙間に侵入したう蝕原因菌による二次う蝕(再発)である。本研究の目的は、研究代表者らが開発してきた2種類の光技術((1)レジンの光重合を利用した膜転写法、(2)過飽和液中レーザー照射法)を利用し、レジン修復歯面をフッ素含有アパタイトで被覆・高機能化するための技術を開発することである。 当該年度(2022年度)は、上記(1)および(2)の技術開発をそれぞれに進めた。(1)では、研究代表者らの既報(Hibino et al., Mater Sci Eng C, 2020)をベースとし、リン酸カルシウム過飽和溶液(原料膜の合成液)にフッ化ナトリウムを添加することで、レジン圧接用(膜転写用)の透明高分子フィルム上にフッ素含有アパタイト原料膜を合成した。(2)では、研究代表者らの既報(Oyane et al., Inter J Mol Sci, 2022)をベースとし、硬化レジンへの前処理として表面にインドシアニングリーン(光吸収剤となる色素薬剤)を塗布した後、フッ化ナトリウムを添加したリン酸カルシウム過飽和溶液中で歯科用半導体レーザー(波長:808 nm)を照射した。その結果、一定の前処理・照射条件下において、照射面の一部に、フッ素含有アパタイトを成膜できることが分かった。レジン修復面の全面成膜・高機能化に向けて、足掛かりとなる予備的な結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2種類の光技術((1)レジンの光重合を利用した膜転写法、(2)過飽和液中レーザー照射法)を利用し、レジン修復歯面をフッ素含有アパタイトで被覆・高機能化するための技術開発を進めた。(1)では、目的とする原料膜を合成し、(2)では、硬化レジンの表面の一部にフッ素含有アパタイトを成膜できる前処理・照射条件を見出した。以上より、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の検討結果に基づき、硬化レジンの全表面にフッ素含有アパタイトを成膜できるよう、技術の見直し、改良を進めていく。また、研究分担者の所属機関においてヒトエナメル質基材を作製し(通常治療で抜去された歯牙の提供を受け作製予定)、同基材を用いた検討も進めていく。
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