研究課題
挑戦的研究(萌芽)
生体内で加水分解や酵素分解を受け最終的に体内から消失する生分解性高分子は、多くの生体材料や製剤に利用されている。しかし、脂肪族ポリエステルは分解物である結晶性オリゴマーやモノマーが炎症を惹起することが指摘されているものの、これらの課題を克服した生分解性高分子は実現していない。一方、細胞が産生する代謝物が免疫系の活性化やがん化の促進に関与することが近年見出されている。本研究では、炎症応答などの免疫反応を調節する生体由来のイムノメタボライトを骨格とする生分解性高分子を新たに設計する。本高分子は、分解に伴い抗炎症作用を示すと考えられる、脂肪族ポリエステルの課題である炎症惹起が克服できると期待される。