研究課題/領域番号 |
22K19941
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
戸上 紘平 北海道科学大学, 薬学部, 准教授 (20582357)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 腎線維芽細胞 / 腎線維症 / 腎間質 / 抗体フラグメント / 慢性腎不全 / 腎線維化 / 再生医療 / ドラッグデリバリーシステム / エリスロポエチン産生細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎不全は、生命予後やQOLの低下を招くため治療ニーズが高い。腎移植は最重要治療であるものの実施するための制約が大きいことから、残腎機能を保存・再生する医療も発展させる必要がある。腎不全に至る過程において、腎間質で筋線維芽細胞が増殖し、過剰産生した細胞外マトリックスの蓄積によって腎機能が廃絶する。本研究では、不可逆的とされる腎障害を克服するため、①腎間質内の筋線維芽細胞へ効率的に薬物送達可能とするドラッグデリバリーシステム(DDS)を構築し、②筋線維芽細胞のエピジェネティクス制御分子を送達し、可逆性を回復させることで再生に導く、という類を見ない戦略からなる新規治療法に挑戦する。
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研究実績の概要 |
当該年度においては、腎間質領域へのDrug delivery systemの開発を目指し、抗体フラグメントを利用した中分子ドラッグキャリアの構築を進めた。得られた抗体フラグメントを片側尿管結紮(UUO)腎線維化モデルマウスに投与し、血中濃度による動態解析および腎凍結切片観察による腎組織内における分布特性の評価を進めた。また、in vitroでは種々の近位尿細管上皮細胞株を用いて、抗体フラグメントの透過機構および特性を評価した。現在までに作製している抗体フラグメントは、腎線維化に伴う血管漏出性の増大の利用と、尿細管上皮細胞のトランスサイトーシス機構による尿細管再吸収過程を利用することで、腎間質への効率的な移行を達成しつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は8月末までUniversity of North Carolina at Chapel Hill(米国)に留学していたため、実際の実験に充てられた期間がやや短かったことに起因する。また、留学中に得た技術を課題研究に組み込むための予備検討に時間を要したのも一因である。しかしながら、これらは本研究課題の充実に不可欠なものであり、この遅れがより優れた研究に繋がるものと認識している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は課題研究の主題である、エピジェネティクスの制御による腎線維化の抑制および改善について取り組む予定である。現在のところ、制御するための候補化合物を見出している段階にある。早期にまずUUO腎線維化モデルマウスに大量投与して、その実現可能性について検証する。得られた成果に基づいて、ドラッグデリバリーシステムを用いた効率的な送達方法について着手する。
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