研究課題/領域番号 |
22K19957
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉山 美耶子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (50962932)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ヒエロトピー / 神聖空間 / ネーデルラント美術 / ヒエロニムス・ボス / アドルネ一族 / エルサレム礼拝堂 / ブリュッヘ / アドルネス一族 / ブリュージュ / 初期ネーデルラント美術 / イコン / 聖地 / 空間イメージ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「神聖空間」という概してビザンチン美術の枠組みにおいて用いられてきた理論を初期ネーデルラント美術に応用し、聖なる原型の複製が、世俗空間を唯一無二の聖なる空間に変換するために果たした固有の役割について分析する。聖堂建築だけでなく、諸種のイメージ、典礼行為、音楽や香炉などの要素が複合的に組み合わされ、初めて観者はそれを聖なる空間として認識する。そしてこの空間自体が、一つの「空間イメージ」ととらえられる。本研究では、ベルギー・オランダに現存する、或いは資料から再構成可能な聖域とそれらの内部に設置された芸術作品やその場で行われていた儀礼を分析し、聖なる空間が創出されるプロセスを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究課題の成果を第76回美術史学会全国大会、2023 International Congress on Medieval Studiesにおいて発表し、国内外に美術史における神聖空間の概念の重要性を発信した。また、ブリュッヘのアドルネス一族礼拝堂に関する研究成果は、2024年内にBrepols Publishersより国際共著として刊行される。また、ビザンチン建築史、エチオピア建築史、仏教圏文化史の専門家を交えた比較共同研究も新たに着手した。現在、初期ネーデルラント美術の中でもヤンファン・エイクに着目し、彼の作品における神聖空間の表現と創出について、単著を執筆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来ビザンチン美術の枠組みにおいて用いられてきた理論を、初期ネーデルラント美術に応用し、聖なる原型の複製が、世俗空間を唯一無二の聖なる空間に変換するために果たした固有の役割について、複数の事例研究を通し分析・解明した。神聖空間の理論の普及に貢献し、時代・地域を超えた本理論の有効性を国内外に発信した。神聖空間の理論の普及のため、国際シンポジウムの開催と共著の刊行を計画している。
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