研究課題/領域番号 |
22K19962
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
織田 和明 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 特任助教(常勤) (30963813)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 日本哲学 / 西田幾多郎 / 田辺元 / 九鬼周造 / 岩下壮一 / 中井正一 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は西田幾多郎、田辺元、九鬼周造、中井正一の4人に注目し、戦前の日本思想の頂点にして戦後の実践の起点となる1935年前後の日本哲学の思想の文脈を明らかにする。この四者は日本哲学というネットワークにおいて議論を交わし、1935年前後にそれぞれの代表作を発表している。本研究ではそれぞれの思想を西田(無の思想・偶然派)/田辺(無の思想・必然派)/九鬼(実存の思想・偶然派)/中井(実存の思想・必然派)の4タイプに分ける。本研究は人物横断的な研究を行うことで日本哲学というネットワークで形成された議論を示し、戦後史も視野に入れながらその歴史的意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では西田幾多郎、田辺元、九鬼周造、岩下壮一、中井正一らの哲学の研究に取り組んだ。本研究は以下の8要素からなる。①九鬼周造と中井正一の思想の比較研究②九鬼周造が岩下壮一と亀代に寄せる未練の情に注目した偶然性の研究③日本哲学の観点から檜垣立哉の哲学の研究④九鬼周造と田辺元の哲学の比較研究⑤中井正一の技術哲学の研究⑥西田幾多郎の「実在」についての研究⑦九鬼周造の人間学の研究⑧海外の研究者とのネットワーク構築。これを通じて日本哲学は日本哲学は「絶対無」「実存」「必然」「偶然」などをめぐる哲学者間の議論を通じて形成されていることを示した。日本哲学は今なお着目するべき多様な議論の宝庫である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本哲学研究は近代日本の人文学の重要な達成であるが、その内実は十分には解明されていない。本研究は当時の日本の哲学界の中心にいた京都学派の西田幾多郎と田辺元、そして彼らからはやや距離を取って実存の哲学の系譜を形成した九鬼周造とその後継者中井正一の四者に注目することで、日本哲学は思想的ネットワークの中で互いに議論を闘わせながらそれぞれの研究を深めていたことを示した。そして日本哲学は現代においてもさらなる展開が可能な議論の宝庫であることを明らかにした。
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