研究課題/領域番号 |
22K19977
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
有村 直輝 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (50967114)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ホワイトヘッド / 思弁哲学 / 科学哲学 / 仮説 / 想像力 / 19-20世紀イギリス哲学 / 観念論と実在論 / ヒューエル / ダーウィン / アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド / C. D. ブロード / 形而上学 |
研究開始時の研究の概要 |
20世紀イギリスの哲学者アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドは1920年代から自身の哲学的な方法論を「思弁哲学」と呼称するようになる。本研究は、彼の「思弁哲学」の形成過程を19世紀から20世紀前半にかけての科学哲学との関係から跡づけ、この方法論的立場が「諸科学が急速に発展する時代に哲学が担うべき役割とは何か」という当時の哲学者たちが直面していた問題に対する一つの回答として提出されたものであることを明らかにするものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、ホワイトヘッドが「思弁哲学」と呼ぶ哲学的方法論の詳細とその形成過程を、19-20世紀の科学哲学との関連から明らかにすることを試みた。具体的には、まず、ホワイトヘッドが、C. D. ブロードの議論を批判的に参照しながら、自身の「思弁哲学」を、われわれの想像力を活性化しうる領域横断的な仮説構築のための方法として定義していることを明らかにした。さらにホワイトヘッドの「仮説」観にはウィリアム・ヒューエルの仮説観からのダーウィンを介した間接的な影響が考えられることを示した。加えて、20世紀の実在論と観念論の議論を検討しながら、ホワイトヘッドが属していた知的状況を整理した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、新資料の講義録や19・20世紀の哲学文献の読解を通して、しばしば哲学史上の孤立した存在として扱われるホワイトヘッドの哲学を当時の思想状況のうちに位置づけ、さらにその哲学的方法論の形成過程を明らかにした点にある。また、ホワイトヘッドの哲学的な方法論は、専門分化の進みつつあった当時の時代状況にあって、領域横断的な思考の可能性を模索するなかで構築されたものだったと言え、本研究の成果は、今日において学際的な研究のあり方を考えるうえでの一つの手がかりを提供しうるものであり、この点に社会的な意義がある。
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