研究課題/領域番号 |
22K19985
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
菅野 倫匡 筑波大学, 人文社会系, 助教 (30961651)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 表記 / 漢字使用の実態 / 芥川賞作品 / コーパス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は日本語の表記や語彙の研究に資する近現代小説コーパスとして芥川龍之介賞受賞作品(芥川賞作品)のコーパスを構築し,それによって日本語の文章における漢字使用の実態を通時的・計量的な観点から明らかにすることを試みるものである。そのために本研究では芥川賞作品を電子化し,語種(和語・漢語・外来語)や品詞などの情報を認定してコーパスを構築する。また,構築した芥川賞作品コーパスを用いて漢字使用の実態について近代から現代に至るまでの変遷を国語施策による影響も踏まえつつ記述することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は日本語の文章における漢字使用の実態を解明するための近現代小説コーパスとして芥川龍之介賞受賞作品(芥川賞作品)のコーパスを構築することを目的としたものである。その主要な成果は21世紀以降の新しい作品を中心としてコーパスを試作したことである。また,コーパス構築に当たっては語彙調査に関する未解決の問題として知られているように読み方の定まらない語が問題となることから既に提示した暫定的な読み方を定める方法について本研究では同時代の資料に幅広く適用し得る汎用的な手順として再整理した。更に本研究では芥川賞作品のコーパス構築の方法について古典語のコーパス構築の事例に適用し,その汎用性の高さを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は現代日本語の文章における漢字使用の実態やその変遷を解明することに資するコーパスが新聞や雑誌を対象としたものに限られる現状にあって従来の研究を継承しながら小説を対象とした新たなコーパスを実際に構築することを試みたものである。そのためにコーパス構築の方法を検討し,古典語のコーパスを実際に構築する事例に適用することにより,その具体的な手順の汎用性の高さを実証的に示した。これはコーパスという言語資源の構築に関する方法論の整備に寄与するものである。また,日本語の表記や語彙の研究に資する近現代小説コーパスを構築することは将来の改定を見込む「常用漢字表」などの国語施策を議論する一助となるものである。
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