研究課題/領域番号 |
22K19987
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
棚瀬 あずさ 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (70963627)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ラテンアメリカ文学 / スペイン語 / 近代詩 / 世界文学 / 象徴主義 |
研究開始時の研究の概要 |
19世紀末から20世紀初頭までイスパノアメリカを中心に展開された文学運動「モデルニスモ」は、スペイン語文学、中でも特に詩の主題や語法 を、西欧芸術をモデルに拡大することを目指す運動であり、同時期に世界規模でインパクトを持ったフランス象徴主義の影響を強く受けた。本研究は、一般に「非国家的な課題」(A. Balakian)を扱うと言われる象徴主義の詩的言語に、実は各地の文化的・社会的背景に 由来する看取しづらい地域的特質が存在するのではないかという仮説のもと、モデルニスモの詩がフランス象徴詩との関わりにおいて持つ固有の性質を、両者の原典の比較分析から明らかにしようとするものである。
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研究成果の概要 |
19世紀末から20世紀初頭までイスパノアメリカを中心に展開された文学運動「モデルニスモ」は、スペイン語文学、中でも特に詩の主題や語法を、西欧芸術をモデルに拡大することを目指す運動であり、同時期に世界規模でインパクトを持ったフランス象徴主義の影響を強く受けながら展開された。本研究は、モデルニスモの詩がフランス象徴詩との関わりにおいて持つ固有の性質を、両者の原典の比較分析から明らかにしようとするものである。研究期間全体を通じて、各地の文化・社会に由来する詩的言語の地域的特質について、社会思想・宗教・哲学的観点から研究を進め、また、さらなる研究の発展の基盤を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「同時代の西欧の模倣によって近代化することを試みながら、同時に地域独自の表現の獲得を目指す」というモデルニスモの相剋をその言語表現に読み取る本研究の成果は、モデルニスモ研究や象徴主義研究の分野において画期的であるほか、1990 年代以降に主に欧米で構築された「世界文学」という新しい議論の枠組み(F・モレッティ、 D・ダムロッシュ、E・アプターほか)にも応えている。また、「文化の一元化への圧力に周縁的文化はどう応えるのか」というより一般的な問いへの応答としても位置づけられる。
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