研究課題/領域番号 |
22K19990
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
金子 はな 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 助教 (80964618)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 俳諧 / 芭蕉 / 蕉門 / 惟然 / 生き方 / 俳句の国際化 / 軽み |
研究開始時の研究の概要 |
従来の俳諧史は蕉風を基準とする評価を元に作り上げられたため、多くの矛盾を含んだものとなっている。 芭蕉の直弟子も、芭蕉と俳風が異なるだけで芭蕉から「逸脱」「離反」したとされた。しかし芭蕉と弟子たちが真に追究したのは「生き方としての俳諧」だった。 本研究は、俳風を基準として形成された現在の俳諧史を、「生き方としての俳諧」史へと再構築するための基礎研究である。具体的には、芭蕉の門人・惟然の作品を「生き方としての俳諧」の視点から分析評価するため、惟然の発句・連句を網羅的に収集・整理するものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、「芭蕉の俳風」中心の俳諧史を是正し、人が生きることを支える「生き方としての俳諧」史を構築するための基礎研究である。本研究の具体的な成果は、現在入手できる惟然の発句及び連句を全て収集・データベース化し、インターネット上に公開したこと、海外の俳諧・俳句研究の特徴とその作品分析における意義を明らかにしたこと、惟然と芭蕉が「乞食」 「貧楽」「軽み」「無分別」などと表現した「生き方の理想」に着目した作品研究の重要性を明らかにしたことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果の学術的・社会的意義は、①惟然の作品を誰でもアクセスできる形で公開したこと、②惟然の作品が彼の生き方の思想(「軽み」「無分別」「乞食」「貧楽」)を多分に反映したものであり、その点に芭蕉から近現代俳句までを繋ぐ文学史的意義、人間が生きる上での俳諧の本質的意義が存することを示したことにある。すなわち本研究の成果は、従来の「俳風」至上主義の俳諧史を「生き方としての俳諧」という視点から再構築する基礎となるものであり、俳諧作品の本質的価値、現代的意義の解明に対しても重要な意義を有するものである。
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