研究課題/領域番号 |
22K19997
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
|
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
木村 崇是 宇都宮大学, 国際学部, 助教 (40967717)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 理論言語学に基づく第二言語習得 / 第二言語習得 / 文法素性の習得 / wh疑問文 / 母語の転移 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は, 第二言語習得における新たな文法素性や素性構成の習得のメカニズムを解明することを目的としている。具体的には,日本語や中国語を母語とする英語学習者によるwh疑問文の習得を題材として, 学習者が新たな文法素性や素性構成を習得できるのか実験を用いて調査した上で, なぜそれらの習得が(不)可能なのか考察を行い, 一般的なモデルの提案を目指す.
|
研究成果の概要 |
本研究では,日本語を母語とする英語学習者を対象に実証的研究を行い,第二言語習得における素性習得と素性再構成のメカニズムを探った。複数の実験の結果,中級レベルの英語学習者は,英語の文法素性の獲得の発達段階において目標言語の英語,そして母語である日本語にもみられないような振る舞いをすることが明らかになった。彼らの第二言語文法は,母語の影響や第二言語インプットの誤分析の混在がみられ,結果的に,本来人間言語では許されない種の文法を作り出していることがわかった。また,さらに習熟度が上がると母語話者に似た振る舞いをすることも示唆され,第二言語獲得における生得的言語知識の役割の理解への手掛かりが得られた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果は,最近の第二言語習得研究では軽視されがちである人間の生得的言語知識の役割に再度スポットライトを当てた点で広義の学術的意義がある。また,領域内の課題についても,これまで明確に論じられてこなかった,第二言語における具体的な生得的言語知識の役割についても示唆を提示した点で大きな意義があると考える。加えて,こうした知見は英語教育などの実践的分野においても応用・実践の価値があるものである。具体的には,教師が中級英語学習者が作り出す文法の誤分析について把握することで,彼らをそのような誤分析に導かないための方法などについて考察・議論をする機会を提供できる。
|