• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

日系オーストラリア文学の可能性を考察する―第二次世界大戦時強制収容体験を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 22K20008
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0102:文学、言語学およびその関連分野
研究機関大谷大学

研究代表者

古川 拓磨  大谷大学, 文学部, 助教 (40962270)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード日系オーストラリア文学 / 日系文学 / オーストラリア文学 / 日系人強制収容所 / 第二次世界大戦 / 日系オーストラリア人文学 / 日系オーストラリア人 / 日系人英語文学
研究開始時の研究の概要

第二次大戦中の北米日系人強制収容文学と比較し、オーストラリア日系人強制収容文学研究は未着手である。それは人種的多様性という特殊事情や、日系コミュニティの小ささが故の文学的素地の未発達という要因が考えられる。近年、強制収容を体験していない世代の作家によるオーストラリア日系人強制収容に関する作品が同国内の文学賞を獲得しており、日系人の歴史再認識という観点からも研究の必要性が窺える。本研究では、オーストラリア日系人強制収容文学作品を、北米との比較検討や、作品の時代背景を語る歴史的資料との照合によってその差異を浮き彫りにしつつ考察し、多様な集団記憶を有するオーストラリア日系人強制収容文学を検証したい。

研究実績の概要

本年度は、2023年2月に実施したオーストラリア(シドニー、キャンベラ、メルボルン、タツラ)での調査結果をふまえ、二度の口頭発表を行った。一度目は2023年9月8日の大谷大学西洋文学研究会2023年度総会にて「脱北米中心日系英語文学の検討―ハワイとオーストラリアの作品を参考に」、二度目は2023年12月17日の日本英文学会関西支部第18回大会にて「オーストラリア日系強制収容文学の考察―Cory TaylorのMy Beautiful Enemyにおける人種・セクシュアリティ表象を手がかりに」と題したものである。以上二つの発表原稿は論文化し、投稿予定のため、現在推敲中である。それぞれにおいて、これまで日系オーストラリア文学が看過されてきた要因や、本年度集中して研究したCory Taylorの小説における日系人強制収容所内のホモーソーシャルな形態の分析について発表した。発表後の質疑応答などをとおして、日系オーストラリア文学は、北米日系人と比較した際の規模の小ささがゆえに、文学作品においても共通の記憶の描写が難しく、個別性や特異性が前景化されがちである点を見出すことができた。
また本年度には「Juliet KonoのAnshu: Dark Sorrowに見られる身体の「移動」と精神性の変容」と題した論文を『西洋文学研究』(第43号、大谷大学西洋文学研究会発行)に投稿した。ハワイの日系人について考察し、オーストラリアと同様のアジア太平洋地域に位置する地域圏における日系人文学研究との連続性を模索した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究課題では主にCory TaylorとChristine Piperという2人の豪作家を対象とする予定であるが、未だ前者のみしか進捗していない。関連資料の不足が主な原因であるため、残りの期間では 資料収集に尽力しPiperの研究に着手する。

今後の研究の推進方策

再び渡豪し、資料収集を行う。タツラ強制収容所元看守James Sullivanの手記Beyond All Hate: A Wartime Story of a Japanese Internment Camp 1941-1946: no 4 Internment Camp, Zeglin Road, Rushworth Victoria, Australia (2006)は作品の解釈上重要であると思われ、入手する。またカウラ強制収容所の遺構(ニューサウスウェールズ州)を訪問する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Juliet KonoのAnshu: Dark Sorrowに見られる身体の「移動」と精神性の変容2023

    • 著者名/発表者名
      古川拓磨
    • 雑誌名

      『西洋文学研究』

      巻: 43 ページ: 43-61

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 脱北米中心日系英語文学の検討―ハワイとオーストラリアの作品を参考に2023

    • 著者名/発表者名
      古川拓磨
    • 学会等名
      大谷大学西洋文学研究会2023年度総会・研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] オーストラリア日系強制収容文学の考察―Cory TaylorのMy Beautiful Enemyにおける人種・セクシュアリティ表象を手がかりに2023

    • 著者名/発表者名
      古川拓磨
    • 学会等名
      日本英文学会 関西支部第18回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Juliet KonoのAnshu : Dark Sorrowに見られる身体の「移動」と精神性の変容2023

    • 著者名/発表者名
      古川拓磨
    • 学会等名
      日本アメリカ文学会関西支部例会(若手シンポジウム:「移動」をめぐる文学的想像力)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-09-01   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi