研究課題/領域番号 |
22K20018
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
川崎 美穏 愛知教育大学, 教育学部, 助教 (60965010)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 連歌 / 和漢聯句 / 武家 / 文芸 / 地方武家文芸 / 室町末期 / 直江兼続 / 千句連歌 / 五山僧 / 上杉家 / 近世初期 / 連歌・和漢聯句 / 中世・近世 / 地域史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中世後期から近世初期の武家文芸の実態を、戦国期を代表する武家上杉氏の文芸活動を対象に、戦前の郷土史家らが残した記録を活用し、おもに連歌・和漢聯句作品を中心に明らかにするものである。具体的には『直江韻書』(上杉氏の周辺で成立した和漢聯句創作時の必携書)、『直江状』(修辞の分析を必要とする書状)、『紹三問答』(連歌師の権威を危うくする内容が記された連歌論書)を対象とする。これらの分析を行い、武家の和漢聯句の実作に際し利用された学書との影響関係、書状の修辞の特性、武家と頻繁に接触した連歌師の社会的役割を解明する。
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研究成果の概要 |
中世後期から近世初期における武家の文芸がどのように展開したのか、この時期を代表する武家上杉氏の文芸活動を中心に明らかにした。具体的には、連歌・和漢聯句の創作時に上杉氏の家宰直江兼続が参照していたと思しい『直江韻書』と、武家らの指導的立場にあり直江と昵懇であった連歌師里村紹巴に関係する論書『紹三問答』を分析の対象とした。前者は本研究補助により内容分析の素地が整った。後者は、諸本全ての調査及び紙焼き収集が完了し、新たに見出した書簡の分析を通して、従来呈されてきた偽書の可能性を否定し、近世初期の連歌史上において看過できない重要な資料であるとの成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、主に山形県米沢市の図書館・博物館・寺社が有する文芸資料の博捜を通して、戦国期に活躍した武家上杉氏の知的教養の実態を、実作(連歌・和漢聯句の作品)と学書(『直江韻書』『紹三問答』『文鑑』)との影響関係及び連歌師(里村紹巴)と武家(上杉景勝・直江兼続)との社会的役割を解明した点に学術的意義がある。 資料の分析に際しては、従来、注目されてこなかった明治期の郷土資料家が残した二次資料を精査したことで、山形県米沢市の地域文化財の活用に寄与した点で社会的意義を果たした。
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