研究課題/領域番号 |
22K20029
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
|
研究機関 | 愛知県立芸術大学 |
研究代表者 |
数森 寛子 愛知県立芸術大学, 美術学部, 准教授 (10588239)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
|
キーワード | ロマン主義 / ヴィクトル・ユゴー / ユゴー / 死生観 / スピリティスム / 19世紀 / フランス文学 / フランス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第二帝政期のフランスにおいて、スピリティスムの大流行と、カトリックへの関心の著しい高揚があったという事実に着目し、これら二つの異なる「宗教的」現象を生じさせた思想的な要因を、時代を遡って考察する。これにより、この時代を特徴づける超自然的現象への傾倒は、19世紀前半を最盛期とするロマン主義時代の文学によって広められた「死後の生」という思想と、それを基盤として形成されていった新しい死生観に大きな影響を受けていることを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究は、フランス・ロマン主義時代における死生観に焦点を当て、19世紀後半の時代の、超自然的現象への関心の高まりや精神世界の探求の基盤となった、文化的・思想的背景を捉えなおすことを目的とした。文学作品や同時代の論評の分析から、ロマン主義時代の思想と、第二帝政期の文学・思想・社会現象との連続性を明らかにすべく努めた。国際シンポジウムでの発表や、論文として、成果を公表することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
19世紀前半の時代にロマン主義文学とともに広まった「死後の生」という思想が、19世紀後半に至り、伝統宗教としてのカトリック、理神論、汎神論、新興の「宗教的なもの」としての交霊術やスピリティスムと、複雑な位相で結びつきながら、既存の宗教とは異なる、新たな宗教性を帯びた作品として結実していく過程を考察した。19世紀フランス全体を視野に入れた、宗教・スピリチュアリティ・文学の関係性を考える上での端緒を開いた。
|