研究課題/領域番号 |
22K20036
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢学院大学 |
研究代表者 |
出口 誠 金沢学院大学, 文学部, 講師 (60964202)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 日本漢文学 / 和漢比較文学 / 平安時代 / 中古文学 / 本朝文粋 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、平安時代中期における漢文の詔に注目する。詔は、改元などの国家の重大事に際し、天皇が命令を発布するものである。古来は宣命体と呼ばれる固有の文体で発布されていたが、10世紀初頭の『延喜式』によって、中国に倣い正格漢文で発布することが定められた。そのため詔は、理想の国家像を規定する内容と、 対外的に誇れるような文章が求められた、日本漢文の中で最も重要な文体の一つと言える。漢文の詔を、一語一語の典拠や表現方法を注釈的に分析することで、古代東アジアという視座のもとに日本の詔を文学的・思想的に定位する。
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研究実績の概要 |
本研究は、平安時代中期の詔(天皇が発する命令のうち、国家の大事に関するもの)のうち、漢文のものを、文学研究の方法で精読するという特徴がある。このことにより、詔が発せられた背景を探るとともに、中国の詔と比較して文体的な特徴の位置づけを図るものである。 2022年度は、2首の詔を検討した。具体的には、「改元の詔」(永観元年)と、「二条の前后の本位に復する詔」(天慶6年)である。このうち前者については、若干検討中の部分を残しているが、後者についてはその位置づけを発表した。 「二条の前后の本位に復する詔」は、藤原高子を皇太后に復位する詔であるが、物故者に対する復位(「追復」という)であるという特徴がある。この点に着目し、比較的近い時代の例として、菅原道真に追復する詔と比較を行った。また、中国唐代の追復詔令にも注目し、①被追復者の描写、②廃位されるにいたった経緯にかんする記述、③追復の理由にかんする記述の3点を比較整理することによって、藤原高子にたいする追復詔は一般的な追復詔に比べて、③追復の理由にかんする記述が薄いという特徴があることを見出した。一方で、藤原高子の没後しばらくたってからの追復にもかかわらず、①被追復者の描写では、藤原高子の美貌が強調されていることを指摘した。 これは、藤原高子の廃位~復位という日本史研究上の問題にくわえ、『伊勢物語』や『大和物語』のヒロインとしての日本文学史上の位置づけがいつ成立したのかという問題につながる研究成果であると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
物品・データベースの納品が想定よりも遅くなったことと、発表を予定していた海外開催の学会が開催中止になったため、若干の遅延が生じている。一方で、1件の研究発表のほか、準備中の発表も含めておおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、残りの詔の分析を進め、終了年度である本年度中の研究発表および成稿を期したい。ただし発表のタイミングは、状況に応じて次年度以降にずれ込む可能性も想定している。
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