研究課題/領域番号 |
22K20037
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 愛知淑徳大学 |
研究代表者 |
橋本 あゆみ 愛知淑徳大学, 文学部, 講師 (10962780)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 日本近代文学 / 戦争文学 / アジア太平洋戦争 / 仏教 / 知識人 / 修養 / 大西巨人 / 野間宏 / 戦後文学 |
研究開始時の研究の概要 |
戦後文学作家たちが、アジア太平洋戦争前後の情況の中で青年として仏教思想をいかに受容し、創作や言論活動に活かしたかを明らかにする。主な調査対象は、大正初期に生まれ、徴兵経験を経て戦争文学を著した大西巨人・野間宏・富士正晴・武田泰淳である。彼らはそれぞれ、道元、親鸞、浄土宗などに関心を寄せた。知識青年に強い影響を与えたマルクス主義が言論統制を受けた時、それに代わる社会参与・改革の思想として「仏教」的イメージは彼らにとって独自の意味を持ったと考えられる。これまで戦争と仏教言説・受容の問題は、作家ごとないし宗派ごとに進められてきた。本研究では、これを横断的に検討することで新たな見取り図を描く。
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研究成果の概要 |
本研究は、日本近代文学の戦後作家が青年期に仏教的言説をどのように受容し、後の創作活動に活かしたかを検討するものである。主な対象作家は大西巨人と野間宏とした。大正期から昭和初期まで、倉田百三『出家とその弟子』に代表される修養思想としての仏教文化が知識青年に影響を与えた。マルクス主義的な社会改良が不可能な戦時下、親鸞は民衆とともに活動した実践者として、道元は知的研鑽の体現者として、大西や野間ら知識青年の精神的立脚点となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
個別の作家や創作物に限定して考察するのではなく、教養形成期の作家たちを共時的に取り巻いた仏教言説の影響に着目したことは新しい手法である。これにより、仏教が戦争参与を強める一方、戦後に作家となる知識青年は時局との緊張関係の中で、望ましい社会参画や真理探究のロールモデルとして宗祖イメージを構築しようとした傾向がわかった。宗旨理解の正統さは問題とせず、社会で受容された仏教イメージを重視し前述の傾向を明らかにしたことが、本研究の独自性である。
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