研究課題/領域番号 |
22K20042
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 関西外国語大学短期大学部 |
研究代表者 |
山本 祐子 関西外国語大学短期大学部, 英米語学科, 准教授 (80424969)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 開拓民民話 / マーク・トウェイン / 義勇兵 / 米墨戦争 / アメリカ文化 / アメリカ英語 |
研究開始時の研究の概要 |
19世紀、米国開拓民は辺境地で数多くの民話を残した。それらは、独自性と文化性に富み、アメリカ生まれの文学サブ・ジャンルとして隆盛を極めていたものの、現在ではほとんど消滅あるいは忘却されてしまっている。つまり本研究は、民話復古にして、歴史上から消されてきた民衆の記録を発掘する作業でもある。 民話こそは、文学的価値が高いだけでなく、当時の風俗習慣を現代に伝える貴重な記録であった。そこには、意識的あるいは無意識的に黙殺されてきた米国史の暗部や恥部までが余すことなく映し出されているからだ。特に女性に関しては極めて希少な史料となることから、本研究が文学および民俗学に多大な貢献をもたらすことは間違いない。
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研究実績の概要 |
「Adventures of Huckleberry Finnにおける21世紀新解釈への提言ー米墨戦争とvolunteersの呪い」(『関西外国語大学 研究論集』第117号)において、アメリカの義勇兵および傭兵について論考した。義勇兵・傭兵はアメリカ文化に多大な影響を及ぼしてはいるが、政府主導のプロパガンダのもと黙殺され、歴史的にも看過されてきた。しかし開拓民民話に扱われている義勇兵・傭兵を研究することで、これらの存在がいかに社会に影響を及ぼし、アメリカ人の文化形成のうえで大きな役割を担ってきたか分かる。そもそも黙殺されてきた存在であるため、その存在を明白化したことだけでも意義があり、極めて貴重な情報を提供できたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本来の目的は、19世紀半ばの開拓民民話を収集し、それらを研究するという試みであり、おおむね順調に進展している。現在出版されている開拓民民話から、マーク・トウェインとかかわりの深いものを選集し、注釈をつける作業を行っている。2024年2月までには、25編の民話を収集した注釈本を完成し、会誌として出版する予定である。 また開拓民民話に関する研究論文「西部におけるアポカリプス的物語」を脱稿。これは、開文社から出版予定(3月出版)の論文集に掲載される。
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今後の研究の推進方策 |
現在出版されている開拓民民話から、マーク・トウェインとかかわりの深いものを選集し、注釈をつける作業を行っている。2024年2月までには、25編の民話を収集した注釈本を完成し、会誌として出版する予定である。 また8月には、アメリカの The State Historical Society of Missouri (SHSMO)へ行き、19世紀前半の新聞をHannibal地域に限定して閲覧、記録し、そこから出版されていない民話を収集する予定である。 これらの民話に関する論文も、所属大学の論集に寄稿予定。
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