研究課題/領域番号 |
22K20045
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
陳 希 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (70965590)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 近代中国 / 国語 / 標準語 / 標準音 / 中華民国 / 国語形成 / 読音統一会 / 中華民国期 / 成立過程 |
研究開始時の研究の概要 |
読音統一会は中華民国成立の直後、1913年に北京で開かれた国語関係の会議であり、近代中国の標準音の成立において大きな役割を果たした。本研究は、新しい史料の発掘と読解を通して、読音統一会に現れた標準音をめぐる言説を再考した上で、読音統一会がどのような政治的・社会的・思想的背景の下で展開され、また近代中国の国語成立の過程においてどのような歴史的役割を担ったのかを実証的に解明するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、中華民国初期における標準音の成立過程を明らかにするものである。今年度は、主に近代中国の国語形成について、横との比較視点を組み込むことに研究をつとめた。具体的には、読音統一会に参加した会員の半分以上が日本留学の経験者だったという歴史的事実を手がかりとして、明治日本の国語施策と近代中国の標準語・標準音の成立とのかかわりに焦点をあてて研究を行った。2023年11月に行われた東アジア日本研究者協議会第 7 回国際学術大会のSGRAパネル「近代東洋文化における関連概念の変容」にて、「明治日本と近代中国の国語形成――「官話」から国語へ」という題名で研究成果を報告した。今後、報告内容についてさらに修正・加筆して中国語での研究成果の発表を予定している。 また、近年、日本国内外では、近代中国の国語運動を対象とする研究が再び盛んに行われ、重要な論文や著作が相次いで出版され、新しい中国の国語運動史像への構築が期待されている。本研究は関連の先行研究と資料の収集につとめ、それらの論考や著作を収集・整理して初歩的な分析を行なった。より詳しく分析・考察する作業は、次年度以降の課題となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により計画していた調査の実現が難しくなった。また、第一子を出産することで、子育てによって研究に専念できる時間を捻出することが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
まず、予定されている海外の図書館の調査を2024年度には本格化させたい。具体的には、次年度の8月には中国国家図書館、上海図書館にて関連資料の収集、閲覧を行う。 次に、海外と国内の研究者との研究交流を加速させたい。具体的には、近年、英語圏や中国語圏で近代中国の国語研究について著作を著した研究者を招きして、シンポジウムまたは書評会を開く予定である。また、近代中国の国語成立の歴史的背景をより深く知るために、1910から1930年代の中国思想・言論についても研究会を開くことを予定している。
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