研究課題/領域番号 |
22K20049
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
張 子康 京都大学, スーパーグローバルコース人文社会科学系ユニット, 特定助教 (70966283)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 通事 / 近世東アジア / 清朝 / 仲介者 / 国際関係 / 東アジア史 / 国際交流史 / 国際交流 / 朝貢体制 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、清朝と東アジア各国との関係において、仲介者として機能した「通事」の制度 的実態を解明し、その具体的な役割を検討する。清朝と朝貢関係にあった琉球、朝鮮、ベトナム、および互市関係にあった西洋諸国を取り上げ、それぞれの関係における通事制度の在り方を実証的に解明した上で、既に豊富な研究蓄積のある、日本に所在した各種通事についての知見と合わせ、近世東アジア全域に当てはまる通事制度の概観を描き出す。これを通して、近世東アジア地域の国際関係における通事制度の重要性を指摘するのみならず、通事という切り口を通じて、近世東アジア地域における国際関係の特徴を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
研究期間内に、主に以下の2点の成果を達成した: 第一に、清朝-琉球関係における通事の制度的実態と具体的役割を解明し、その成果を博士論文にまとめ、一部は雑誌論文として公刊した。第二に、清朝-西洋諸国関係における「カントン通事」の制度を再検討し、従来特別視されていたこれらの通事を清朝の通事制度内に位置付ける試みを行った。その初歩的な成果は共同研究班で発表した。 その他、具体的な成果には至っていないものの、清朝-朝鮮関係における通事に関する史料の精読を着実に進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は従来研究が手薄であった清朝の通事制度について、総体的・実証的な解明を目指した。これにより、清朝と各国間の関係がいかに維持・運営されたか、及びそこにおける仲介者(通事)の役割が具体的に明らかになった。また、本研究の成果は、「通事」をはじめとする仲介者の存在と活躍を通して、前近代・近世東アジア地域の国家間関係の特質を理解する切り口を提供するものである。さらに、 グローバルヒストリーの隆盛を受けて「仲介者」の役割がかつてなく注目を集めている中、本研究は仲介者をめぐるグローバルな歴史研究の潮流にも大きく資するものである。
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