研究課題/領域番号 |
22K20062
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 大手前大学 |
研究代表者 |
石畑 匡基 大手前大学, 国際日本学部, 講師 (20964828)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 豊臣政権 / 五奉行 / 大谷吉継 / 寺沢広高 / 豊臣大名 |
研究開始時の研究の概要 |
豊臣政権の研究の進展の背景には、豊臣秀吉など当該期の主要な大名の発給文書の収集とその分析による居所や動向の解明があげられる。その一方で、政権の実務を担当した奉行らの動向は未だに不明な部分が多いといえよう。 彼らは政権運営の実務担当者だけでなく、大名として自身の知行地を保有し、その支配を担っていた。ところが、領国支配に関しては、これまであまり注目されてこなかった。 よって、いわゆる「五奉行」を務めた石田三成・前田玄以・増田長盛・浅野長政・長束正家に加え、大谷吉継・寺沢広高らを検討対象として、彼らの発給文書を収集するとともに、領国支配の特徴を分析し、豊臣奉行に関する基礎的な研究を進展させる。
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研究実績の概要 |
本年度は、豊臣奉行が発給した文書の収集を中心に行った。 豊臣奉行のうちでも大谷吉継と寺沢広高が発給した文書に焦点を絞り収集を行った。具体的には、これまで刊行されている史料集や自治体史などから関係史料をピックアップしながら各地の博物館・資料館・図書館等に赴いて史料の写真などを収集し、翻刻と分析を行なった。併せて、発給文書の紙質にも留意しつつ調査を進めた。 その結果、大谷吉継に関しては先行研究において、これまで指摘されていない花押の形を見出すことができた。そして、先行研究において大谷吉継の発給文書だと想定されている古文書に関して、花押の形や通称の用い方から、異なる人物に比定すべきという知見を得た。 寺沢広高に関しても、活字化されていない発給文書で、長崎奉行としての活動の一端を垣間見ることができる文書を見出すことができた。また、寺沢広高の黒印が押された検地帳の類例を増やすことができた。 こうした調査成果に基づきつつ、これまでの先行研究の成果を踏まえながら、大谷吉継と寺沢広高の発給文書目録の作成を進めている。この発給文書目録をもとにして、それぞれの古文書における通称や実名、花押・印判の変遷といった基礎的な分析を行っている。さらに、かかる作業によって収集した文書の内容を分析し、豊臣奉行の知行地支配の実態に関して究明を進めている。なお、本年度は史料調査に専念したため、豊臣奉行に関する研究成果を公表することができなかった。一方で、調査成果を援用し、豊臣奉行と同時代の大名である毛利氏に関する研究報告を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は史料調査に注力した一方で、調査成果を公表することができなかった。 また、古文書の内容検討によって、豊臣奉行の知行地支配の実態分析に関しては、想定したよりも着手できなかった。そのため、当初の予定よりも遅れているため、上記の進捗状況とした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、豊臣奉行の知行地支配の実態に関して分析・検討を進めていきたい。 また、本年度の研究によって作成した大谷吉継・寺沢広高発給文書目録を用いた研究成果を公表することを目指したい。
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