研究課題/領域番号 |
22K20070
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
辻本 侑生 弘前大学, 地域創生本部, 助教 (80958950)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 危機 / 津波 / 焼畑 / 気候変動 / 災害 / 現代民俗学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は様々な危機に直面してきた/これからも直面しうる地域社会を、民俗学の立場からどのように捉えうるかを問うものである。現代日本の地域社会は、災害、気候変動、感染症、国際情勢の変化等、不確実性の高い危機にさらされている。本研究では、東日本大震災後に隆盛したレジリエンス論的な津波被災地研究を批判的に継承しつつ、「危機」という枠組みをもとにした理論的整理と、北東北地域において過去に危機的状況に直面した地域社会を対象とした事例研究を行う。
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研究実績の概要 |
研究実施計画に基づいて、(1)「危機」に関する理論的整理と、(2)「危機」に関する事例研究として、北東北各地でのフィールドワークや資料調査を行った。 (1)の「危機」に関する理論的整理については、国立国会図書館等での文献渉猟や学会等への出席によって情報収集を進めたほか、福島県立博物館に所蔵されている山口弥一郎旧蔵資料の閲覧調査を行った。 (2)の「危機」に関する事例研究については、津波被害を受けてきた海村と、凶作の被害を受けてきた山村について、それぞれフィールドワーク等を進めた。 津波被害を受けてきた海村については、2022年後半に青森県三沢市沿岸部において津波による集落移動史について調査を行った。調査の過程において、地域住民の皆様が本研究の内容に強く関心を示してくださったことから、調査の中間的な成果について、2023年2月26日に三川目公民館で実施された、三沢市災害に強いまちづくり市民提案事業 『三川目津波防災を考える日』(三沢市三川目防災会主催)で報告する機会を得るなど、一定の成果を挙げている。 また、凶作・焼畑に関する調査としては、文献調査によって北東北各地の民俗誌的事例を収集し、それらのデータの分析結果を2022年10月に熊本大学で開催された日本民俗学会年会で口頭発表した。さらに、そこでの発表内容を、学会で出席者から得たコメントを踏まえて文章化し、『弘前大学國史研究』に査読付き論文として掲載されることが決定するなど、一定の成果を挙げている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題による成果が2023年5月に査読論文として掲載されることが決まったほか、三沢市においては地域住民主催のイベントで研究成果の中間報告をする機会を得るなど、学術・社会連携の双方の観点から、当初計画以上の成果が生まれているため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究実施計画に基づいて、理論的整理や北東北各地でのフィールドワークを進め、研究期間終了後には「危機」の視点から地域社会の長期的変動を捉えた論文を民俗学の学術雑誌に発表できる状態となることを目指す。
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