研究課題/領域番号 |
22K20082
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
三隅 貴史 関西学院大学, 社会学部, 助教 (20962971)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 民俗学 / 祭礼 / 祭り・行事 / 新型コロナウイルス感染症 / COVID-19 / 祭り / 青森県 / 都市 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大規模祭礼の分析に「闘争理論」という新しい視角を導入し、新たな知見を生み出すことに挑戦するものである。このために、地域の祭礼運営組織の成員ではない地域外参加者がもっとも先端的に活躍している大規模祭礼、青森ねぶた祭における「ハネトライダー/チャリダー」(ねぶた祭に集う旅人の集団、日本国内で旅に生きる人びと)と、かれらとは別の目的を有する集団との闘争・協調実践を事例として分析する。
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研究実績の概要 |
青森ねぶた祭は、多数の地域外参加者が参加している点や、乱痴気騒ぎ的行為の抑制が困難な点などにおいて、日本で最も先端的な祭礼の一つである。そして、青森ねぶた祭の時期だけ青森市を訪れ、市が整備している「サマーキャンプ場」で共同生活を送りながら、青森ねぶた祭に参加するバイク・自転車・旅愛好家が、「ハネトライダー/チャリダー」である。 ハネトライダー/チャリダーのような地域外参加者が多数参加する青森ねぶた祭を分析するにあたり、どのような理論的分析視角を用いることが適切なのだろうか。そしてその視角からは、地域外参加者が多数参加する現代の祭礼をどのように説明することができるのだろうか。本研究は、大規模祭礼の分析に「闘争理論」を導入し、新たな知見を生み出すことに挑戦するものである。 最終年度にあたる令和5年度は、これまでの研究の成果をまとめて、厚みのあるエスノグラフィーを執筆すること、そして、論文を執筆し、人類学・民俗学・社会学などの査読付き学術雑誌に投稿することを目指して研究を行った。 研究期間全体の課題と、それに対する研究の進展状況は以下の通りである。まず、多様な学術領域で行われてきた祭礼研究の整理と、祭礼に対する新しい理論的分析視角の提示という課題については、単著『神輿と闘争の民俗学:浅草・三社祭のエスノグラフィー』にて、筆者による見解を公表することができた。次に、ハネトライダー/チャリダーを事例としたエスノグラフィーの執筆という課題については、現在、論文の形にまとめている最中であるが、エスノグラフィーの執筆が一定程度進展した。最後に、コロナ禍における祭礼をどのように分析するかという課題については、コロナ禍において祭礼を実施し続けてきた岐阜県岐阜市の祭礼運営組織に関する研究を、査読付き雑誌『日本民俗学』で発表した。
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